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少子高齢化も“にゃん”のその! 「地方創生」支える“サファリ猫”たち (1/2ページ)

 わが輩は野良猫である。名はないが、われわれ野良どもが地方創生の助っ人役を引き受けているんだ。

 場所は清流仁淀川で知られる高知県吾川郡いの町の山里、高級地鶏「土佐ジロー」の放飼場だ。南国の日差しのもと、厚く茂った草木に囲まれた広々とした地面で地鶏がけたたましく翔け回る。遺伝子組み換えのない餌を食べて風味豊かな卵を産む。

 豊かな自然環境は悩みももたらす。鶏の天敵の蛇、ネズミ、イタチ、テンが跋扈(ばっこ)する。イノシシが近寄ってきては穴を掘りまくる。そこで、養鶏家の西雅志さんが、ふもとの町を徘徊(はいかい)していたわしらをスカウトして、土佐ジローの「番猫」にしたんだ。その数は増えて今や20匹。どこにいても、出て行こうが自由で、たまに町に降りていく仲間もいるが、2、3日で帰ってくる。ここは天国なんだ。

 世間は、猫は鶏を襲うと疑っているそうだが、とんでもない。まず、土佐ジローは気性が激しく、ひ弱なブロイラーとはわけが違う。あの鋭い蹴爪と嘴(くちばし)相手ではさんざんな目に遭うだろう。しかもわしらは食うには困らぬ。西さんが餌を提供してくれるばかりじゃない。野良で野生本能に目覚めたわしらは大好物のネズミを捕り放題、マムシはわくわくする狩りの獲物だ。マムシの頭をしっかりとくわえる。イタチもテンもわしらを恐れて逃げる。イノシシたちも敬遠して出てこなくなった。

 周辺で果樹を栽培しているおばさんは、わしらの大ファンだ。マムシやイノシシはいなくなったし、柿や桃も猿にとられなくなった。西さんはわしらに警備をまかせて、放飼場にはいないときが多い。ある日、ふもとの役場から野良猫対策の人がやってきた。保護者の西さんがいないので「やばい」、と心配したが、ちょうど居合わせた果樹園のおばさんが、「猫たちのおかげでよいことずくめなんだよ」と説得してくれた。

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