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帰りなんいざ!ジジイの地方再生 (1/2ページ)

 「帰りなんいざ、田園将(まさ)に蕪(あ)れんとす」(陶淵明の「帰去来辞」から)。夏休みは郷里の高知県で、旧友を訪ねて回った。山間部は過疎化、高齢化が激しく、イノシシや鹿の数が住人よりも多い地区が目立つ。村落は消滅寸前か、と思いきや、どっこい持ちこたえている。

 四国山脈の奥深い谷あいの長岡郡大豊町は、国の特別天然記念物で樹齢3000年以上の大杉の巨木や、太平洋戦争時、シンガポールを攻略し、英軍司令官に「イエスかノーか」と迫った名将、山下奉文の出身地としても知られる。村落に若者の姿はなく、夜はイノシシたちが我が物顔に徘徊(はいかい)、住民は怖くて外に出られない。主力の林業を支える杉、桧の若木は鹿に食い荒らされる。

 高齢者が立ち上がった。鹿肉をペットフードにして全国に売り出すプロジェクトだ。地元の元郵便局長で年金生活暮らしの小森将義さん(70)はある日、猟師からもらった鹿肉を犬たちに与えてみた。すると従来の市販ペットフードには目もくれず、むしゃぶりつく。老犬の毛並みはつやつやとし、若い犬は精気がみなぎる。

 小森さんは企業化を決意、国からの中小企業支援融資を受け、鹿肉のペットフード工場建設準備を進めている。「この歳で借金するのはどうかとためらったが、2、3人でも若い人が地元で働ける場ができればよい」と意気込む。設備は殺菌、乾燥用で済む。ジビエ(野生の鳥獣肉料理)用は処理コストがかかり、需要は近隣のジビエ・シェフのいるレストランに限られるが、ペットフードであれば全国販売できる。

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