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【人生二毛作】「難聴者は蓄音機の方が聞きやすい」に着想、元IT営業マンが『バリアフリースピーカー』発売 (1/2ページ)

 まるで手品みたいだった。小さなオルゴールが、1枚のセルロイドの下敷きを当てただけで、ビックリするほどの音量で鳴り出す。「原理はいたってシンプルなんですが」と、サウンドファン(東京・浅草橋)代表取締役の佐藤和則さん(61)が実験して見せてくれた。

 学生時代は「学業そっちのけでドラムをたたいていた」ミュージシャン。キャバレーやライブハウスなどで演奏していたが、手首をケガして音楽の道は断念し、富士ゼロックスに就職。IT技術者としてプログラム関係の仕事に携わったが、自分の技術力に限界を感じ、営業マンに転向。その後、いくつかの外資系コンピューター会社を渡り歩き、2006年にIT系サービスのコンサルタントとして独立した。

 音のバリアフリースピーカー開発のきっかけは、ビジネススクールでの出合い。

 「そこの友人から音楽療法を手がける大学の先生を紹介され、難聴の高齢者は、通常のオーディオスピーカーよりも電気を使わない蓄音機の方が聞きやすいという話を聞いて」スピーカーへの活用を思いついた。さっそく試作機を作り、加齢性難聴の父親に聞かせたところ「非常によく聞こえる」。

 2013年に資本金100万円で会社を立ち上げ事業を始めたが、周囲の反応は冷ややかだった。6畳一間の事務所で2年間、仲間の技術者が開発を進める一方、自分は高齢者の施設を訪問し実証データを蓄積。15年10月に「ミライスピーカー」の商品名で発売に踏み切った。

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