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前澤社長の“話題作り”と裏目に出た「シグナリング」効果 (1/2ページ)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の深層心理を推察する。今回は、大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの“お騒がせ社長”前澤友作氏を分析。

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 2月初旬、ツイッターの休止宣言を行ったら株価が上がったというニュースが話題になったのは、株式会社ZOZOの前澤友作社長だ。そして今度は、ZOZOの採用試験の最終面接の席に、交際中の女優・剛力彩芽さんがいたとする記事が2月14日発売の『週刊新潮』に掲載された。同社はこの記事を「事実無根」として完全否定し、法的措置を検討すると発表したため、「過剰反応では?」とさらに話題になった。

 思い浮かんだのは、「月に行く予定の人で、ZOZOの社長で、剛力彩芽さんが彼女です」という、社長自身がツイッターに書きこんでいたプロフィールの一文。ストレートで分かりやすいが、社長という肩書きと剛力さんが彼女であることが、並んで書かれていたことにびっくりした。それまでにも仲睦まじい様子を公表していたから、夢や挑戦、仕事と同じくらい彼女を大切に思っていると捉えることもできる。だが、意地悪な見方をすれば「公私混同」という印象も持ってしまう。このプロフィールはすでに削除されたが、この時のインパクトは大きかったと思う。

 インパクトと言えば、ジャン=ミシェル・バスキアの絵画を史上最高額で購入して話題になった時も、10億円のバイオリンを購入し、自らそれを弾いた動画をネットにアップした時も、それなりに話題にはなった。だが、その名が広く世間一般に知られるようになったのは、昨年、アメリカのカリスマ経営者イーロン・マスク氏が経営するSpaceXと契約し、民間人として初めて月旅行に行く予定だと発表した時だろう。

 これによって彼の知名度は一気にアップ。世間からは、「若くして成功したカリスマ経営者」「大金持ち」「アート好きで冒険や挑戦好き」というイメージを持たれたと思う。前澤社長は、芸術品を購入し、月旅行を計画しそれを公表することで、自分がそういう人間であるという「シグナリング」をしたのだろう。シグナリングとは、私的情報を持たない相手に情報を開示する行動をとること。前澤社長の場合なら、彼がどういう人物かを知らない人々に、自分をアピールするために取った行動になる。

 この時のシグナリングによる効果は高く、前澤社長が率いるZOZOにも、当然注目が集まった。使った金額も莫大だったが、それだけの効果はあったのだ。株価は上昇し高値を付け、ZOZOと前澤社長の名前は瞬く間に広がっていった。

NEWSポストセブン

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