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働くママの「時短・手作り」ニーズにマッチ! ライオン「リードプチ圧力調理バッグ」

 共働き家庭が当たり前になり、「時短」がヒットのキーワードになっている。しかし、いまや単なる「時短」では働く女性の心を捕まえきれない。

 ライオン(東京都墨田区)が2018年に発売した「リード プチ圧力調理バッグ」(以下、調理バッグ)は、食材と調味料を入れ、電子レンジで加熱するだけで圧力調理ができる。「時短」と「手作り」を両立させ、発売から1年(19年2月現在)で89万個発売とヒットしている。

 「働くママたちの料理に対する罪悪感を払拭したいという思いがきっかけだった」と、ヘルス&ホームケア事業本部リビングケア事業部ブランドマネージャー、渋谷恵氏は言う。

 同社が働くママたちにグループインタビューをしたところ、「帰宅後の夕食作りが大変」「早く作りたい」という声が多かった。しかし、ただ短時間で作ればいいわけではなく、手間は減らしたいが「家族の健康を考えた、おいしいものを作りたい」と考えている。ママたちは手をかけなければと思い、出来合いの総菜では後ろめたいのだ。

 調理バッグは縦横それぞれ約20センチの透明の袋。電子レンジで加熱すると、食材から出る蒸気で膨らむ。蒸気口が適度に蒸気を逃し1・1気圧、102度に調整する。適度な圧力がかかるため食材が軟らかくなり、調味料もしみ込む。そして、じっくり煮込んだ料理1-2人分が最短5分でできあがるのだ。蒸気口は特許出願した独自の技術で、開発に5年かかった。

 電子レンジでチンとするところは、冷凍・レトルト食品などのレンちん料理や作りおき料理と同じだが、「出来立て作り立てを提供するので、ママの気持ちの負担を軽減できる」と渋谷氏は言う。

 だが、この違いを説明し、社内で提案を通すことが大変だった。「家族に出来立てを食べさせられる、と説明しても、働くママでなければ実感として伝わらない」

 そこで渋谷氏は会議やプレゼンの場で実演し、出来立ての肉じゃがなどを食べてもらった。「出来立てのおいしさを実感してもらうことが大切だと思った」からだ。

 さらに調理バッグの使い方だけでなく、家庭生活の中でどう使ってもらいたいかの提案を入れた動画を作った。例えば、休日に、調理バッグに切った食材と調味料を入れ、冷凍庫でストックする「おかず貯金」。食事の準備をする手間を省いて、平日、遅く帰った夫に1人分の出来立てを提供できる。

 発売後には地道にサンプリングを繰り返した。ユーザーは働くママだけでなく、一人暮らしや専業主婦など女性が反応した。その結果、自然とSNSで拡散、「いいね」が6万件にもつながった。さらに「一人暮らしの息子など離れて暮らす家族へのお届け飯として利用する」など、想定外の使い方も広まった。(村上信夫)

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