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ヒゲ剃り起点としたスキンケア提案でヒット シック「ハイドロ スキンケアシリーズ」

 2018年10月、男性用カミソリのトップシェアを誇るシック・ジャパン(東京都品川区)は、化粧水や乳液、洗顔料を発売した。「シック ハイドロ」スキンケアシリーズである。

 その狙いは「シェービングからスキンケアへと事業拡大し、化粧品メーカーとは異なる層から新規ユーザーを獲得すること」(マーケティング本部ブランドマネジャー、中町都氏)だ。

 ヒゲ剃りには、ヒゲを濡らして柔らかくしT字カミソリで剃るウエットシェービングと、濡らさずメッシュ状の外刃(シェーバー)で刈り落とすドライシェービングがある。同社の調べ(16年7-8月、男性1万8625人対象)によれば、男性の約半分(49%)がウエットシェービングである。

 ウエットシェービングは、ヒゲを剃ると同時に余分な皮膚や角質を取り除いている。その状態は水分が吸収されやすいため、実はスキンケアのベストタイミングでもある。

 だが、男性のヒゲ剃り後のスキンケア率は低く、化粧水・ローションの使用は19%に留まる(シック調べ)。単純計算でヒゲ剃り後にスキンケアをしない男性が約30%。同社はここに着目した。

 スキンケア市場は200憶円規模だが、洗顔やスキンケアの認知が拡大したことで需要が拡大している。それだけに有力ブランドが先行し、「スキンケアブランドとして戦ったら後発。ヒゲ剃りを起点とする肌ケアを提案する」ことで、新たな層を掘り起こすことを狙った。「シェービング後は肌を整えるチャンス、スキンケアしないともったいない」というコンセプトも作った。

 しかし、日本だけのローカル提案だったため、「本当にスキンケアが売れるの? とアメリカ本社の理解を得るのが大変だった」という。

 そこで調査、テストを重ねる。男性はスキンケアをしていても家族、パートナーのものを使用する人が多い。そこで、「男性と女性は違い、専用のものを使った方がいい」ことや、「世界の中でも日本はシックブランドが強く、男性の49%にリーチするブランド力を持っており、(利用する人としない人の差)30%にビジネスチャンスがある」ことなどを説明した。

 発売したのは化粧水「しっとりタイプ」と「さっぱりタイプ」の2種類、乳液、そして洗顔とシェービングフォームの効果を持つフェイスウオッシュの計4種類だ。

 発売にあたってはトップブランドの強みを生かし、カミソリにサンプルを添付。冬は保湿性のしっとりタイプ、2月、3月は軽めさっぱりタイプと細かく、年間200万個以上という膨大な数を配布した。ここからヒットにつながった。

 「男性は1回使って満足するとそのブランドから離れない。そのためにはファーストタッチが大事」だと中町氏。とはいえ、男性スキンケア市場は教育・啓蒙(けいもう)に時間がかかるカテゴリーのため、「時間をかけて市場拡大を狙う」という。(村上信夫)

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