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【ネットデジタルここに注目!】広がる「電子工作」の世界 秋葉原に「明和電機」直営店

 東京・秋葉原は、まったく違った目的をもった人たちが集ってくる不思議な街だ。アニメの関連グッズやゲームの店が、いまはとても目立っている。メイド喫茶もあるし、上野寄りの末広町交差点の近くには「オタ婚」という看板が出ている。これは、マンガ・アニメの専門店「とらのあな」がはじめたオタクのための結婚相談所である。外国人観光客が多いのも秋葉原の特徴で、中央通りという目ぬき通り沿いに大型バスが前につける免税店がいくつもある。

 しかし、「秋葉原」のオリジンというのは、完成品ではなく真空管などの部品からラジオや無線機などを作る人たちのための街だったのだ。戦後のラジオブームの時代、露店のそうした部品店がGHQによる指令でJR総武線・山手線のガード下に移転したのがはじまりなのだ。

 総武線ガード下の「ラジオセンター」や、その目の前にある「ラジオ会館」、山手線ガード下の「ニュー秋葉原センター」は、そうしてできたお店の集合体である。そして、中央通りを渡った西側にある「東京ラジオデパート」も同じように電子部品やパーツを扱う、戦後すぐから続いているビルである。

 ところが、ここ数年、電子部品店の閉店が目立つようになった。東京ラジオデパートの店舗部分4フロア(1フロアは地下)も、店舗のシャッターが下りたままで、そこだけ空き地のようにガランとした空間になっていた。

 そんななか、突然耳に入ってきたのが明和電機が東京ラジオデパートの2階に直営店をオープンするというニュースだった。明和電機といえば、電子技術とナンセンスを融合させたアート作品で有名。「魚コード」「オタマトーン」といった製品もよく知られている。

 さっそく出かけてみると、社長の土佐信道氏がトレードマークの作業服に身をつつんで店頭に立ち、客のサインに応えていた。明和電機の商品を売るほかに、横には「ラジオスーパー」と名付けられた30組ほどの主としてデジタルを使ったアート作家たちの委託販売コーナーも併設。さらには、明和電機の「パチモク」や「コイビート」といった初期アート作品も展示されていた。

 土佐社長もきっとラジオや電子部品が好きで、東京ラジオデパートで閉店が目立ってきたのを見るのがつらかったのだと思う。しかし、ここ数年デジタルの世界で起きているブームの1つが「電子工作」なのをご存じだろうか? 「Raspberry Pi」や「Arduino」と呼ばれる安価で使いやすいマイコンボードが登場して、電子工作のハードルが下がった。

 実は、戦後の秋葉原が誕生した時代に、東京ラジオデパートで買った部品でラジオや無線機を作ったのと、新しい電子工作をするのはとても似ている。

 明和電機の製品もさることながら、委託販売コーナーに並べられた若いアートの作家たちの作品も楽しい。藤原麻里菜さん(札びらで頬をたたく装置を展示)など女子の電子工作アーティストも参加していたりする。明和電機の帰りに、同じラジオデパート内に昔からある電子部品店に寄って、30年ぶりくらいでハンダゴテで工作してみるのはいかがだろう?(アスキー総研・遠藤諭)

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