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人生ドン底にならないために…「相続放棄」知ってる? 3カ月以内に手続き、自宅残せる「限定承認」も

 「相続放棄」の件数が増えている。最高裁の司法統計によると、ここ数年、毎年約1万件ずつ増え、2017年は約21万件に上った。家族関係の希薄化や資産価値がない不動産の増加などが背景にある。民法の規定では、相続人は負債も含めて全ての財産を引き継ぐため、余計な借金を抱えないためにも必要な手続きを認識しておいた方がいい。知っているか知らないかで今後の人生がドン底になりかねないからだ。

 亡くなった人の財産は、配偶者や子など法律で定められた相続人が引き継ぐ。要注意なのは自動車やカードのローン、連帯保証人の立場も引き継いで返済する義務を負うことだ。財産を精査し、明らかに負債が多い場合に有効な手続きが「相続放棄」。プラス、マイナスを問わず全ての財産を受け取らない選択だ。

 民法の規定では「相続の開始があったことを知った時から3カ月以内」としており、期限内に戸籍謄本や申述書などを用意し、家庭裁判所で手続きを始める必要がある。何もしないと「単純承認」とみなされ、全てを引き継ぐことになる。

 昨年父親を亡くした秋田市の男性会社員(31)は放棄を選んだ。小学生のときに両親が離婚。その後、父親と会うことはほとんどなかった。父親は定職に就かず全国を旅した自由人。各地に借金があるという話を聞き姉や祖父母、叔父と相談して全員が手続きした。

 「父とは良い思い出もある。余計な借金を背負わされたら恨んでいたかもしれない」と語った。

 司法書士法人ABC(大阪市)によると、年間約2500件の相談のうち、親の借金問題が約3割に上る。親が経営者で、会社の借り入れの連帯保証人となっていたことを知らず、3年後に1億円の返済請求が来たケースもあるという。最近では、資産価値がない土地や家による“負動産問題”も増えている。

 椎葉基史代表は「親の人間関係や負債を把握していないケースが多い。持ち家があったり没交渉の親族がいたりする場合は要注意」と指摘。「相談のうち期限を過ぎた事例が半数ある。自己判断で諦めずに専門家に相談してほしい」と助言する。

 手続き前の名義変更や預金引き出しなどは財産を受け取ったとされるのでご法度だ。死亡保険金は、受取人が相続人であれば財産とはみなされずに受け取りが可能。「自宅を残したい」「借金額が不明」という場合は、プラスの財産の範囲内でしか債務を支払う責任を負わない「限定承認」という方法もあるので賢く選択したい。

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