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No.1の先へ行く“試行錯誤”の連続 味の素冷凍食品「ギョーザ」

 2018年10月、「おいしさの進化」と「ターゲット・オケージョン(食用する場面)を拡大するラインアップの強化」を発表した味の素冷凍食品の「ギョーザ」。これまで年間約200憶円を売り上げ、過去15年間で売り上げは約3倍。16年連続、家庭用冷凍食品市場での単品売り上げナンバーワンをキープしてきた。それでもなおリニューアルを行うのはなぜか。

 味の素が冷凍餃子を発売したのは1972年。97年にはフライパン調理で油のいらない「ギョーザ」にリニューアル。12年には油・水なしでフライパンに並べて調理するだけで簡単に羽根付きギョーザが焼けるように改良するなど、絶えず新しいコンセプトを打ち出してきた。

 だが、同社によれば17年度の「ギョーザ」購入経験率は約18%に過ぎない。まだ「約8割の人が食べていない」(マーケティング本部国内統括事業部開発マーケティング部マネジャー、鈴木誠志氏)。ここに伸びる余地が十分あると見た。

 リニューアルは17年、「毎日食べたい餃子かどうかイチから見直す」ことから始まった。外部の専門家にも参加してもらい、外食店のおいしい餃子にどう近づけるのか検討と調査を繰り返した。

 その結果、皮を薄くすると肉汁のジューシーさが保たれ、食べ応えがあること。飲み込む時に小麦粉の残り香が気にならないことが分かった。

 しかし、その先が試行錯誤の繰り返し。具の量とつつむ皮とのバランスが問題となった。また、皮を薄くすると破れやすくなり、工場での生産ラインにも変更が生じる。それらすべてを確認するため、作っては食べ、作っては食べの日々。その結果、1個23グラムにたどり着いた。さらに「パリッと羽根があるとおいしく感じる」ため、焼き上がり時の羽根も改良した。

 すでに14年には使用野菜をすべて国産化していたが、それに加えて、国産志向の強い消費者ニーズに応えて肉も国産化した。油なし・水なしで焼ける“羽根の素”は、さらにパリッと羽根ができるように進化。皮は薄くして食べ応え感を増した。

 定番「ギョーザ」の改良に加え、味と内容量の違う2種も新発売した。「ギョーザ」と同じニンニクベースの味つけで、1袋当たり36個入りの大容量パック「みんなわいわいギョーザ」。子育て世帯の食卓のメーンのおかずを想定した。「しょうがギョーザ」は、ニンニク不使用で食場面を選ばず毎日食べることができる。

 冷凍食品は、ブランドをなかなか変えない保守的なマーケットだ。しかし、「しょうがギョーザ」は発売直後、8位に食い込む大健闘。女性からの支持が高いという。

 同社には「永久改良」という言葉がある。「お客さまの嗜好は日々、変わっていく。とどまっていれば、いまナンバーワンでも来年ナンバーワンとは限らない」(鈴木氏)のだ。(村上信夫)

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