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令和の株式市場を展望する 停滞気味も株価は「改善の余地」あり?

 平成が終わった。日経平均株価の終値は2万2258円だった。平成元年末に記録した有名な最高値3万8915円に、遙かに届かないばかりか、平成のスタート時の株価3万0209円をも大きく下回る(平成がスタートしたのは1989年1月8日だが、この日は日曜日であるため、前々日の株価だ)。株式投資家にとって平成は何ともさえない時代だったと言わざるを得ない。

 平成元年の株式市場では、前年までの上昇相場を引き継ぎ「日経平均5万円近し」の声もあり、楽観的なムードに包まれていた。前年の秋には、東大の某教授が座長を務めた研究会が「日本の株価は高過ぎない」という今から見ると阿呆なリポートを発表したくらいだ。

 平成元年は、株価は高過ぎ(利益の50倍以上の値が付いていた)、経済は好調、金融政策は引き締め(公定歩合引き上げ)、市場には楽観論、といった状況の中で「バブルの仕上げ」を行い、翌年から株価は大崩れして、その後、地価も下落に転じた(一般に株価に対して少々遅れる)。

 ひるがえって、「令和」スタート時の株式市場の状況はどうか。まず、東証1部上場企業の株価は平均して利益の約14・3倍で、配当利回りも1・9%ほどあって、「少なくともバブルではない」。当面の経済は政府が「緩やかな拡大」というほど順調ではなく、停滞気味だ。秋に消費税率が引き上げられると、厳しい局面を迎えそうだ。

 一方、金融政策は当面緩和状態が続き、引き締められる状況にない。また、米中の貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題など懸念材料が複数あり、株式市場には、少なくとも楽観論と同じくらいの数の悲観論がある。

 率直に言って現状はパッとしないのだが、これは投資の上で「悪くない」状況だ。当面見えている経済の予想は株価に織り込まれる。問題は、将来の事態が現在の予想から上下いずれにブレるかだが、これは予測不能だ。ただし、現状の期待値が低い方が下ブレよりも上ブレの可能を期待しやすい。

 今後の日本の株式投資には「普通の先進国並み」のリターンを期待していいのではないか。年率で5%程度の収益だ。

 平成の始まり頃を覚えている方は、当時「英国病」と揶揄(やゆ)され相対的な国力を落とし続けていた英国を思い出そう。その後も、英国は海外企業が活躍する場で「ウィンブルドン化」と言われたが、それでも英国の企業の株価は30年間で3倍近くになった。令和の日本株にもこの程度を期待できるのではないか。

 加えて日本企業には、米国企業との比較で見て自社株買いなどの株主利益を志向した経営にシフトする余地がある。

 今の経済がさえないことも、企業の経営効率が今一つであることも、令和の株価にとって「改善の余地」であり楽しみなのだ。(経済評論家・山崎元)

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