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「洗った方がカタチ長持ち」提案 花王『エマール』

 2018年10月にリニューアルした花王のおしゃれ着用洗剤「エマール」が売れている。エマールは1951年の発売。96年に「ホームクリーニング」のコンセプトを提唱し、これまではクリーニングに出すことが多かったおしゃれ着を自宅で洗う習慣を提案した。

 衣類の洗剤には、一般的な洗剤(重質洗剤)と、デリケートな衣類を洗うおしゃれ着用洗剤(軽質洗剤)がある。近年の軽質洗剤の市場は、年間100億円ほどで横ばいだ。その中で、エマールは約6割とカテゴリートップのシェアを占める。

 2000年代に入りファストファッションが主流となると、プチおしゃれなカジュアル衣類が中心になった。クリーニングに出さずに、自宅洗いされる衣類が増える中、やさしく洗えてきれいに仕上がるおしゃれ着用洗剤は出番が増えるチャンスがある。

 ところが、同社の調べによると「軽質洗剤を使用している女性は57%。さらに、洗剤の手持ちがあっても約半数が1年に1回も購入していない。30代以下では、そもそも使ったことがない人が多いという状況だった」(ファブリックケア事業部、井上直子氏)。背景には、セーターやニット類などの型くずれや洗濯ダメージを気にして、着用しても洗濯を控えている人が約8割もいたのだ。

 しかし、例えばニットを洗わずに着続けると、袖口や首回りが伸び、洗わないことによる型崩れのダメージが起きてしまう。そこで、洗うことで着用による伸び・ヨレを整え、衣類のカタチを長持ちさせる「洗った方がカタチキレイ」を提案するというコンセプトが生まれた。

 それをもとに、着用することで乱れた繊維をコートしてハリを出し、表面をなめらかにすることで、ひっかかりを解消させ、伸び・ヨレを整えることができる新技術「カタチコントロール洗浄」を開発。着るたびに洗うことで、衣類の袖・首回りのきれいなカタチが長続きするようにした。

 開発にあたって困難だったのは、約400種もの衣類の検証。わざわざ真夏にセーターを着て汗をかくなど、着用のダメージを徹底的に研究した。また、家庭訪問を繰り返し、洗濯シーンを解明した。

 CMにはおしゃれ感がありながら親しみがあるキャラクターとして、タレントの渡辺直美を起用。洗うと傷みそうだから怖くて洗えない…という声に対し、「逆なの! 洗った方がニットのカタチ長持ち!」と驚き、袖口を堂々と見せ、お気に入りの服がきれいに着続けられるうれしさを表現する「高見えポーズ」を決めた。これにより認知が一気に広まった。

 さらに、ファッションブランドやネット上のフリーマーケットとのタイアップを行い、使用をためらっていた30代主婦層を中心に浸透させた。リニューアル以降、長く動かなかった市場は前年比104%と活性化している。(村上信夫)

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