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【新・モノ言う株主】外資系の“物言う株主”に再び動き!? 不気味な香港系オアシス…次の主戦場はパソナか

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 一時期鳴りを潜めていた外資系の物言う株主だが、再び動きが活発になっている。新たに日本へと上陸した香港のオアシス・マネジメントや米国のエリオット・マネジメントがその主役である。

 イスラエルで従軍歴を持つセス・フィッシャー氏が率いるオアシスの名が日本で知られるようになったのは2017年に起きたパナホームを巡る攻防戦がきっかけだ。

 当時、親会社のパナソニックは株式交換でパナホームを完全子会社化する計画を進めていた。そこにオアシスは割って入った。約110億円を投じ約9%のパナホーム株を買い集めたのだ。

 「プロテクティング・パナホーム」

 前後してそんなタイトルの特設サイトが現れる。パナソニックの提示よりパナホームの企業価値はもっと高いはずだというオアシスのキャンペーンが始まったのである。「皆様から始めましょう」--。オアシスはそう呼び掛けていた。

 結果、パナソニックは株式交換を撤回、TOB(株式公開買い付け)へと手法を変更する。オアシスは買い占め株の6割をTOBに差し出し54億円の利益をひとまず確定。続く臨時株主総会でも会社提案に反対し、さらなる買い取り価格の増額を迫った。さすがにこれは失敗に終わるが、キャンペーンで得た利益は計74億円に上ったとみられる。

 オアシスは昨年暮れの株主総会が焦点となったアルプス電気とアルパインの統合計画でも同様の動きを見せた。この時、一緒に買い占めに回ったのがエリオットだ。運用資産が数兆円に上る巨艦ファンドで、お隣の韓国では財閥の再編計画にたびたび反対してきた。日本では前年、日立国際電気を巡る買収計画に反対し、TOB価格の引き上げに成功している。

 もっともエリオットは統合に対し表立って反対しなかった。結局、株主総会は会社提案を可決。135億円を投じながら取り残された格好のオアシスは今年に入り統合の無効を求め提訴、攻防の舞台を法廷へと移した。

 「グループ会社や淡路島での事業の実態に関心を持っているようだ」

 オアシスに近い関係者は、今後、戦端が開かれそうなパソナグループについてそう話す。オアシスは一昨年秋、50ページ超の提案書を公開して経営改革を促しているが、南部靖之氏率いる会社側に変革の兆しは見えず、機は熟しつつある。

 かつて市場を席巻したスティール・パートナーズはリーマン危機に打たれ11年頃には日本から撤退。ハゲタカ色の強いサーベラス・キャピタル・マネジメントも西武ホールディングスなど大型案件の一掃で14年頃にいったん撤収した。新たに上陸した物言う株主は硬軟織り交ぜ知略に富むのが特徴。今後どんな攻防が展開されるか興味深い。

 ■高橋篤史(たかはし・あつし) 1968年生まれ。早稲田大学教育学部卒、東洋経済新報社などを経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に『凋落 木村剛と大島健伸』『兜町コンフィデンシャル』『創価学会秘史』など。

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