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【オーバーロクマル世代応援企業】前職は畑違い…62歳のいま、パン職人になる夢がかなった 「リライブ」

★第30回「リライブ」

 この連載は、25年間で2万人の経営者と交流してきた人材採用コンサルタント会社・キイストンの細見昇市社長が、60代以上の就業に積極的な企業30社を選出。夕刊フジと共同で紹介・顕彰するものです。

 第二の人生に踏み出すという意味を込めた「リライブ」(東京都渋谷区、小川正浩社長、http://www.re-live.com)。同社が運営する「リライブフードアカデミー」は、「食」を生活や仕事に生かすために技術や知識を身につけたり、独立開業を目指したりするシニアをはじめとする社会人に特化したフードスクールだ。

 コースは、「ベーカリーコース」「カフェコース」「パティスリーコース」のほか、バリスタの資格や接客、サービスの資格(S1サーバーライセンス)の取得ができるコースに分かれている。

 「2002年の設立で、現在、従業員数は7人ほどの講師を含め12人の社員と3人のパート従業員で合計15人です。65歳が定年ですが、本人の希望や条件が合えば70歳ぐらいまで働くことが可能です」と小川社長。「教育ビジネスのため、自己の経験を伝えるという意味においてシニアのメリットは大きいですね」と言う。15人のうち唯一のシニアは自身の経験をもとに「ベーカリーコース」で講師を務める部長の稲垣浩作氏(62)だ。

 「スクールが開講して約半年後に採用され、勤続16年になります」という稲垣氏。担当する講義はベーシックコース(基礎)とアドバンスコース(上級)だ。「現在、週5日、1日平均10時間ほどの勤務で、1講義最大14人の受講生にパンづくりを教えています」

 「実習の最後には、焼き上がったパンを全員で試食します。その際、『おいしい』は禁句です。『ちょうど良い甘さかな』とか『ふっくら感がいつもと違うかな』など具体的な言葉で味わいを語ることが学ぶことにつながり、次へのステップや改善点になるからです」

 食べるモノを作るのは並大抵のことではなく、失敗することもあるだろう。「受講生には失敗から学んでほしいと思っていますから、途中では口を挟まないようにしています」

 「おいしいパンを作りたいと奮闘する受講生の方々と過ごす時間は、楽しいですよ」とも語る。62歳のいま、「前職はまったく畑違いでしたが、振り返ってみると小学2年生のとき、将来なりたい職業がパン職人だったんですよ」。夢を実現させたシニアだ。

 「受講生には航空管制官だった68歳の男性や、園児たちにおいしいパンを食べさせたいという67歳の幼稚園園長の女性などもいらっしゃいました。現在までに、弊社で学び独立開業までサポートしたのは約170店舗以上です」と本部運営課の鷲尾英行氏。ここでは、夢を実現したシニアが未来の夢を抱くシニアを応援している。(取材・土金哲夫)=おわり

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