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【定年後・自走人生のススメ】「因果関係」と「相関関係」を混同しない! 50代以上のシニア社員が陥る「もう症候群」 (1/2ページ)

 「メタボ検診を受けていれば長生きできるのか」と聞いて、あなたはどう思うだろうか?

 最近出合った経済書『「原因と結果」の経済学』(中室牧子、津川友介著)の冒頭での読者への問いかけである。

 「なるほど、確かにそうかも」と肯定する人も多いのではないだろうか。私もその一人だった。しかし同書によると、残念ながら<経済学の有力な研究は否定している>のだそうだ。さらに<多くの人がこれらの問いにイエスと答えてしまうのは「因果関係」と「相関関係」を混同しているからである>と説く。

 「メタボ検診を受けているから長生きできる」(=因果関係)わけではなく、「もともと長生きするような健康意識の高い人がメタボ検診を受けている」(=相関関係)だけではないか、というのだ。

 さらに同書では、<日常生活の中でも、因果関係と相関関係の違いを理解し、「本当に因果関係があるのか」を考えるトレーニングをしておけば、思い込みや根拠のない通説にとらわれることなく、正しい判断ができるだろう>と、私たちの「アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや先入観)」を克服するためのヒントも書かれている。

 現在、定年後研究所で開発中のeラーニング研修プログラム「キャリア・ラーニングシステム(CLS)」は、50代以上のシニア社員にありがちな『もう症候群』を克服し、これまでの長い会社人生のなかでも認識できなかった「自分自身の2番目に得意な性格特性」を発見しようというものである。

 役職定年、出向・転籍などを経験すると、「もう今さら新しいことに挑戦してもなぁ」「もう若い頃のようには頑張れないし」「もう会社は自分に期待していないのでは」などという『もう症候群』に陥りがちだ。しかし、これらの「50代になったから(原因)、もう自己成長はできない(結果)」という因果関係的な発想は、まさに自己に対するアンコンシャスバイアスである。

 CLSは、“もう”から“まだ”への意識変革のための“補助器具”のようなもの。そして、2番目に得意な性格特性を生かした行動変容のための“玄関口”である。したがって、「CLSを履修すれば(原因)、充実した人生が過ごせる(結果)」という因果関係は存在しない。そこには、50代以上のシニア社員に対する「新たな職務(職場)開発」「リカレント教育(学び直し)に対する補助」「社外の生きがい情報の提供」など、会社の手助けが必要なのは言うまでもない。

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