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翼を整え新たな空へ! 日本航空・赤坂祐二社長「航空運送事業にとって整備は主役中の主役」 (1/2ページ)

★日本航空・赤坂祐二社長(57)

 約30年にわたり整備部門で安全運航を支えてきた。その経験から「航空運送事業にとって整備は主役中の主役」と明言する。会社のトップとなって約1年、新機種導入や2020年の羽田・成田空港の発着枠拡大を視野に入れた戦略、中長距離の格安航空会社(LCC)への参入などの取り組みを進めている。(中田達也)

 --エアバス社の新型機「A350」導入の狙いを教えてください

 「大型機の主力機ボーイング777は、もう20年以上使っていまして、機種を入れ替えるタイミングでした。国内線、国際線両方に使ううえで、燃費の良さなど総合的に考えて選びました」

 --乗客にとって新機種のメリットは

 「機内の静かさを感じていただけると思います。国内線も、全ての座席に個人用のモニターを付け、ビデオプログラムや『ライブTVサービス』をお楽しみいただけます。電源も備えていてスマートフォンなどの充電も可能です。荷物を入れるスペースも大きくなるので、お客さまにとっても最新鋭の設備と居住性の良さを感じていただけると思います」

 --新路線については

 「今年はシアトル線を開設したほか、2020年までに成田からインド・ベンガルールの新路線も開設します。20年には羽田と成田の発着枠が増えますので、さらにいろいろな増便や新路線を考えていきます」

 --LCCにも乗り出します

 「20年に合わせてZIPAIR(ジップエア)を立ち上げますが、間違いなく成功すると考えています。われわれのやっているフルサービスキャリアと違うマーケットが存在することは明らかです。なかでも中長距離については日本にプレーヤーがいないので優位性があると思います。フルサービスとLCCの“二眼レフ”で対応していきたいと考えています」

 --中長距離LCCに絞った背景は

 「航続距離や燃費の良さなどの面でボーイング787が出てきたことが大きいですね。当初はバッテリー問題もありましたが、ここにきて本来の性能がうまく発揮できるようになってきました。JALで787を40機以上持っているスケールメリットやオペレーションのノウハウを使えば、ジップでもやっていけると思います」

 --昨年来の飲酒問題についての取り組みは

 「みなさまにご迷惑をおかけいたしました。まずは乗員らの検査態勢の厳格化をしました。次に社員全体で、飲酒が業務に与える勉強をしています。社員間のコミュニケーションや他の組織の人との会話、社員の事情を把握して一人一人にあった仕事のやり方など、環境を作っていくことが大事だと思っています」

 --整備出身ということも話題になりました

 「航空会社にとって整備費は燃料費の次に大きいコストということもあり、事業において大きなウエートを占めています。安全運航を根幹とする航空運送事業で、整備は主役中の主役といえます」

 --整備を熟知していることは経営でも強みとなりますか

 「どこに金をかけて、どこを効率化するかは専門家でないと分からない世界なので、それはそうだと思います」

 --整備の世界も変化があるようですね

 「新しいテクノロジーが使える余地が大きくなっています。従来の整備の概念は、飛行機が壊れたら直すというものでしたが、『予測整備』は、ビッグデータを使って、壊れる前に予兆を検知して直してしまうというものです。飛行機にセンサーが増えてデータが飛行中でも取り出せるようになったことが大きいですね」

 --社長になってから、会社に対する見方は変わりましたか

 「変わりましたね。ずっと整備にいながら日本航空をちゃんと見ていたはずだと思っていましたが、整備を離れてみて、いかに何も知らなかったのか痛感しますよね。裾野も広いし仕事も多様だし、いろんな人がいるんだと実感しています」

 【整備】もともとやりたかったのは飛行機の設計だったというが、転機となったのが1985年の日航機の御巣鷹山墜落事故だった。

 「いったい何が起きているのか、なんとかしなくては、という思いで、運航や整備について、しっかり見たいという気持ちでした」

 実際に体験した整備の世界は、「奥が深いなと思いましたね。システマチックで、いろんな要素がある。いろいろやっているうちに時間が過ぎましたが、飛行機が好きだということは変わりありません」。

 【好きな飛行機】「ボーイング747ですね。整備からすると本当に手が掛かったし、747さえなければもっと良い人生が送れたと思うぐらい苦労しましたし、勉強になりました。ばらしては組み立てを延々とやっていて、ずっと整備していた印象です」

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