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定年後に家計の管理を夫へバトンタッチ… 老後資金が激減する“落とし穴”とは

 定年をきっかけに、家計の管理を妻から夫にバトンタッチ。妻の負担も減り、夫の家計への関心も高まり、いいことずくめに思えますが、実は老後資金の激減につながる“落とし穴”も潜んでいるとか。いったいどういうことなのか。最新刊『となりの家(うち)のざんねんなお金の話』が話題のファイナンシャルプランナー、横山光昭氏はこう解説する。

 「よくあるのが、最初こそ一生懸命やったけれど、次第に、家計簿の記入を怠り始めるパターンです。その結果、支出がわからなくなり、“使いすぎ”に気づかないまま、どんどん老後資金が目減りしていくということになりかねません」

 とくに気をつけたいのが雇用延長で仕事を続けている場合、現役時代ほどではなくとも忙しく、かつ、多少なりとも定期収入がある。それが「この程度の出費なら大丈夫」という油断にもつながりやすいという。

 「退職金もあり、さらに雇用延長で収入を得ていたのにもかかわらず、かなりのスピードで老後資金を減らし、愕然(がくぜん)として家計相談に来られた方もいます」と、横山氏は振り返る。

 「老後の家計は、現役時代よりもいっそう、計画的に使う必要があります。退職金などでまとまったお金が入ると気持ちが大きくなりやすい。でも、人生100年時代といわれる今、これからの40年間を暮らすと考えると、蓄えが足りないという現実を突きつけられるケースも少なくないのです」

 例えば、60歳の時点で2000万円貯蓄があったとしても、その後の40年間で均等に使っていくと考えると、年に50万円しか使えない計算となる。「65歳以降になれば、年金が入るといっても油断はできない金額です」と横山氏は語る。

 定年を迎えるとたいていの人が「むだ遣いに気をつけよう」と意識する。その一方で、ライフスタイルが変わることで、友人との交際費や娯楽費が現役時代以上にかさんだり、「食事は質」と外食費が増えたり…。こうした積み重ねが老後資金を目減りさせる。知らず知らずのうちに、年金をもらえる歳を超えても働かなければ、生活が成り立たない事態に向かって着々と歩みを進めていることも十分ありうるのである。

 「まずはどのような老後生活を送りたいのかを家族で話し合い、支出の優先順位を見極める必要があります。支出を管理し、不必要な出費を節約する上でも、家計簿への記録と振り返りは欠かせません。できれば夫婦で一緒に家計簿をつけ、日頃から家計管理について話し合うことをおすすめします」

 もし、生活費がかさみすぎているようなら「生活のダウンサイジング(規模縮小)」一択。そのタイミングが早ければ早いほど、老後資金の目減りは抑えられる。だが、対策をとるにも、まずは支出の全体像を把握できないことには始まらないのだ。

 ■島影真奈美(しまかげ・まなみ) ライター/老年学研究者。1973年宮城県生まれ。シニアカルチャー、ビジネス、マネーなどの分野を中心に取材・執筆を行う傍ら、桜美林大学大学院老年学研究科に在籍。「ホテル業界の高齢者雇用」をテーマに論文執筆を進めている。

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