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RIZAP、黒字転換『コミット』できるか 想定外の193億円大赤字…専門家「ここからが正念場」

 2019年3月期の連結業績で、会社予想を大きく超える193億円の赤字を計上したRIZAP(ライザップ)グループ。決算短信にはイエローカード企業の予備軍とされる「継続業の前提に関する重要事象等」が記載された。M&A(企業の合併・買収)で膨張したグループのスリム化に注力する同社は20年3月期の黒字転換に「コミット」する。

 「痛みを伴う期間は一日でも早く乗り越え、未来に向かって前進していきたい」と15日の決算説明会で話した瀬戸健社長。期初予想は159億円の最終黒字だったが、昨年11月に70億円の赤字に下方修正、通期業績はさらに大きく突き抜ける赤字となった。

 本業のフィットネスジムは好調だったが、不採算事業の売却や撤退、在庫の処分など構造改革費として93億円を計上したことが響いた。

 これまでM&Aを積極的に進め、買収先企業の純資産より安く買収した際の差額(負ののれん)を営業利益として計上してきた同社だが、買収した企業の不振がグループの足を引っ張った。

 投資情報会社「RAKAN RICERCA(ラカン リチェルカ)」の若杉篤史社長は「膿(うみ)出しという意味で、大規模な損失はある程度予想できた。一般論として風土や文化が異なる企業を買収して、急速に改革を進めることはハードルが高い。短期間に多数の企業を買収して、経営を同時進行的に立て直すという戦略には以前から懐疑的な見方があった」と指摘する。

 18年6月には「プロ経営者」として知られる元カルビーの松本晃氏を三顧の礼で最高執行責任者(COO)に招いたが、わずか1年で取締役を外れ、特別顧問となる。

 若杉氏は「M&Aの凍結はすでに発表されており、買収した企業の一部も売却するなど構造改革もめどが立っている。その時点で松本氏の任務は終わったといえ、改革を完成に向かわせるのは社長の瀬戸氏にかかっているのだろう」とみる。

 ガバナンス(企業統治)の改革策として、今期から取締役会は瀬戸社長以外の5人全てが社外取締役になり、組織面でも、中間持ち株会社の「RIZAPインベストメント」に経営再建が急務の子会社を集約する。

 前出の若杉氏は「ケアしなければいけないところに、手を施したといえそうだ。ここからが正念場だが、計画通りに実行できれば、成長も期待できるかもしれない」と指摘した。

 決算説明会で瀬戸氏は「V字回復を果たすべくやっていきたい」と話し、同席した松本氏も「膨張し、ぜい肉が付いていたが、健全な会社になると思う。立場を変えてサポートしていきたい」と強調した。

 金融機関との間で70億円の融資枠が設定されるなど資金面の手立ても整い、20年3月期の業績見通しは売上高が1・1%増、最終損益は5億円の黒字転換を見込む。

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