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苦戦していた「沖縄ファミマ」が稼ぎまくるようになった経緯が面白い (1/3ページ)

 ファミリーマートの全店平均日商は約53万円だが、沖縄エリアに限定すると約65万円に跳ね上がる(2019年2月期)。背景にあるのは、地元に密着したユニークな施策の数々だ。沖縄県限定のテレビCMや商品開発などが地元住民に支持されている。

 ファミマの澤田貴司社長は4月10日の決算説明会で、好調な“沖縄モデル”に触れたうえで「本部が一律にいろいろなことを展開する時代はとっくに終わっている。コアな部分は本部がしっかりやるが、地域に密着して、権限をどんどん委譲することを検証しないといけない」と発言した。また、ファミマは、19年3月から「営業部門」「店舗開発部門」「商品開発・販売促進部門」など、通常本社が持つ機能を権限委譲するリージョン制を東北地方と九州地方で導入している。沖縄モデルを見習って、地域に密着した売り場づくりや商品開発を推進するのが目的だ。

 セブン-イレブンは沖縄進出を表明している。今後、沖縄県を舞台にしたコンビニ間の競争が激しさを増すのは確実な情勢だ。迎え撃つ沖縄のファミマはどのような独自路線を歩んでいるのだろうか。担当者に話を聞いた。

■1987年に誕生した沖縄ファミマ

 沖縄でコンビニ事業を展開しているのは「株式会社沖縄ファミリーマート」(那覇市、以下「沖縄ファミマ」)。同社は、ファミリーマートと沖縄県で百貨店やエンターテインメント施設などを運営するリウボウグループの共同出資会社だ。出資比率はリウボウが51%、ファミマが49%となっており、設立されたのは1987年である。

 沖縄ファミマは、沖縄県内におけるエリアフランチャイズ本部としてチェーン展開している。沖縄県の店舗オーナーは、沖縄ファミマとフランチャイズ契約を締結している。フランチャイズチェーンが全国展開するなかで、各地域の有力企業と組んでこういったエリアフランチャイズ制を選択するケースは他にもある。地元の“盟主”が前面に出たほうがさまざまな点で有利だからだ。

 沖縄県におけるファミマの店舗数は327(19年5月末現在)。本島に285店あり、宮古島や石垣島などの離島でも営業している。

■ざるそばのつゆも沖縄仕様

 沖縄ファミマではさまざまな沖縄限定商品を開発している。特に注目すべきは弁当やパンといった中食分野だ。約7割が独自開発商品となっている。

 分かりやすい例でいうと、ゴーヤーチャンプルー弁当、タコライス弁当、ランチョンミートや卵を挟んだおむすびなど、地元で親しまれている商品をコンビニ風にアレンジしている。

 店舗の食品売り場を見ると、本土のファミマとほぼ同じパッケージのざるそばや冷やし中華が並んでいるが、実はつゆを沖縄仕様に変えている。本土のつゆメーカーと一緒になって沖縄県民に受け入れられる味を開発している。ちなみに、これらの麺は本土と同じものを使用しており、スケールメリットを生かせる分野とそうでないところでメリハリをつけている。

 大手コンビニでは全国をいくつかのエリアに分けて、おでんのつゆの味を微妙に変えているのは有名な話だが、沖縄ファミマでは“現地化”させた商品数の割合が多いのが特徴だ。

■焼きたてのパンやピザも提供

 焼きたてのパンやソフトクリームを提供しているのも沖縄独自の取り組みだ。現在、焼きたてパンを扱っているのは21店舗だが、売り上げ全体に占める割合が7%になる店舗もあるという。担当者は「焼きたてパンを扱っている店では、袋に入れたパンの売り上げは落ちますが、パンカテゴリー全体の売り上げはアップします。また、集客力を高める効果があります」と説明する。焼きたてのピザは57店舗で提供しており、注文があってからオーブンに入れて焼き上げる。

 ソフトクリームは168店舗で提供している。カウンターの後ろ側にソフトクリーム製造機があり、店員がコーンを設置してボタンを押すだけで完成する。これはメーカーと共同で開発したものだ。

ITmedia ビジネスオンライン

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