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【もう一枚の名刺】書家・晋翔さん 「自分の名前を毛筆で」社会人向け教室

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【もう一枚の名刺】書家・晋翔さん 「自分の名前を毛筆で」社会人向け教室

 商社に勤務しながら書家として活動している晋翔(しんしょう)さん(31)。企業のロゴや店舗の看板、瓶のラベルなどを依頼されて書いているほか、2011年からは月に2回ほど書の教室を開いている。

 教室では、のし袋や冠婚葬祭の場などで自分の名前を筆ペンできれいに書く方法を6回コースで教えている。毛筆が苦手な人は多いが、社会人として、せめて自分の名前くらいはきれいに書きたいと願う人も多い。そうした人向けの教室だ。

 「僕は書道の師範の資格を習得したあとも小筆が苦手で…。職場でも『書道をやっているのに小筆はそうでもないね』と言われて、『大筆と小筆は別モノなんです』と言い訳していました(笑)」

 晋翔さんはその後、小筆をマスター。同じ悩みを持つ人は少なくないだろうと、会社帰りの社会人向けに教室を開いた。

 自分の名前が書けるようになると、次は自分の住所、そして、はがきや封書を出すときのために相手のあて先も、と欲が出てくるが、「あて先やあて名はスペースが狭いため、通常より横に潰れた文字になります。さらに数字の番地が入り、ひらがなの地名、カタカナのマンション名が入ってバランスが難しいので、難易度は上がります」という。

 教える一方で、晋翔さんは年に1度の展覧会に出す作品づくりにも励んでいる。自分の身長ほどの大きな紙に50文字ほどの漢字を3行に分けて書く作品だ。筆に墨を含ませた最初の線は太く濃くなり、そこにリズムが生まれる。3行の文字の太さと大きさのバランスを見ながら、歌での息継ぎのように墨を含ませるタイミングを図る。

 「紙と墨の組み合わせで、墨のにじみ具合が変わっていきます。墨も種類によって、にじんだときに赤や青の色が出ますので、自分の好みで組み合わせます」

 ただ、紙は購入した時期によって微妙に厚みが異なり、墨も自然の素材なので再現性は悪い。好みの組み合わせは、そのとき限り。書道とは刹那的な芸術なのだ。

 「だから、自分の作品を後々まで残せる企業や店舗の看板というのは、いいですね」。自分が書いた居酒屋の看板を前に、晋翔さんはうれしそうに笑った。 (松本佳代子)

 当欄では「もう一枚の名刺」を趣味や副業、ボランティア活動などに生かしている方を募集しています。メール(meishi@fujinews.com)でご連絡ください。

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