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《zak女の雄叫び お題は「会」》世界が注目する小澤征爾と内田光子、広中平祐…天才たちの出会いが奏でる奇跡 (1/2ページ)

 指揮者、小澤征爾が総監督を務める音楽祭「セイジ・オザワ松本フェスティバル」が8月から9月上旬にかけて長野・松本で開催された。毎夏、この音楽祭のステージで起きるのは、ものすごい能力を持った音楽家たちの出会いが奏でる奇跡だ。今年もその瞬間に立ち会うことができた。

 音楽祭の最後のプログラムは、ピアニストの内田光子を迎えたベートーベンのピアノ協奏曲第3番。オーケストラは世界中のオーケストラの第一線で活躍する奏者が集まる「サイトウ・キネン・オーケストラ」だ。

 今、世界でもっとも尊敬を集める指揮者とピアニストの2人がステージに現れると約2000人を収容する大ホールは期待で一気に熱を帯び、聴衆の気持ちが舞台に集まっていくのが分かった。

 小澤が手を下ろすと、とたんに重みのあるふくよかな音がホールに広がり、ドラマが語られ始める。小澤と内田、そしてオーケストラは一音一音に命を吹き込んでいき、その姿は変幻自在。1楽章の厳然としたたたずまいから一転、2楽章できわめて幻想的な世界を作り上げた。

 そして3楽章には、小澤と内田、サイトウ・キネン・オーケストラの3者でしか表現できない高揚が発露した。内田が雄弁に語り出せば、小澤とオケも全身全霊をかけてその問いに答え、さらに内田もまた新しい言葉を語り出すというように。

 一方で会場に集った聴衆も曲の始まりの一音から終わりの一音まで強烈な集中力と緊張感でこの天才たちの共演を見守り、全身で音楽を浴びた。コンサートの醍醐味はやはり、その一瞬にしか出せない音に立ち会えることだ。そのことを強く感じた夏だった。

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