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《zak女の雄叫び お題は「会」》映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の魅力 “再会”は手紙に乗って (1/2ページ)

 長らく手つかずのまま放置していた古本を整理していたら、古い絵はがきが一枚、するりと出てきた。

 サンフランシスコの抜けるような空の下、ゴールデン・ゲート・ブリッジがすっと延びる風景写真で、その裏面に「ねえさんお元気ですか?」と始まり、「ドクター(博士課程)になるのにいっぱい勉強がんばってください。また飲みましょう」と締めくくられていた。消印は21年前の夏。私はまだ学生で、差出人は他大学の後輩H。片付けの手を止め、つい何度も何度も文面を読み返すうち、私の心は時間のトンネルをするするとくぐり、それまで思い出すことがあまりなかった人懐こい後輩Hのことや、進路に迷っていた当時の自身の感情が、鮮やかによみがえってきた。

 何年前に書かれたものでも、手紙につづられた言葉や思いは色あせることがない、と思う。勢いのよい筆致なら弾むような書き手の息づかいが、端正な書き文字であれば落ち着いた心持ちが、そのままこちらに伝わってくる。まるで手紙は真空パックのように、当時の書き手が込めた思いを鮮度そのままにキープしてくれるのだ。

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