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【サザンオールスターズ40周年への轍】1997年 浸透し始めたネット社会を痛烈風刺

★第20回

 ペルーの首都リマで日本大使公邸をテロリストが襲撃、占拠する事件が日本中を震撼させた。この事件は1996年12月17日から越年し、4月22日に警察が突入して解決するまで実に4カ月もかかった。さらに神戸連続児童殺傷事件-酒鬼薔薇事件が社会問題となったのもこの年。英国のダイアナ元皇太子妃がパリで事故死し、国内では渥美清や勝新太郎ら名優が死去。大阪ドームとナゴヤドームが完成した1997年。

 デビュー20年目を前にしてサザンオールスターズは、バンド活動だけに限らず、メンバーそれぞれの個性を全面に出すためのソロ活動も積極的に展開。原由子がSMAP(当時)の香取慎吾と異色の顔合わせでデュエットシングル「みんないい子」をリリースした。

 また「ウクレレはライフワーク」という関口和之は、ウクレレを愛するミュージシャンを集めて企画したオムニバスアルバム「関口和之presents UKULELE CALENDAR」を発表。

 松田弘は17年ぶりのソロシングル「それでも時は」を発売し、東京・新宿の「日清パワーステーション」(閉館)でのソロライブを成功させている。

 桑田佳祐は、大きな影響を受けたバンドのひとつとして挙げてきたリトルフィートのギタリスト、ローウェル・ジョージのトリビュート・アルバム「ROCK AND ROLL DOCTOR」に、唯一の日本人ボーカリストとして抜擢され、「Long Distance love」をカバーした。

 サザンとして1年2カ月ぶりとなる39作目のシングル「01 MESSENGER~電子狂の詩(うた)~」をリリースしたのは8月。この曲は「日産ルキノ」のCMソングとしてオンエアされた。

 当時はパソコン、インターネットが急速に一般に浸透し始めていた時期で、すべてが電子化された情報社会への風刺がこめられている。この作品を機に、CS放送で特番「01 MESSAGE」が組まれ、インタビューや東京・原宿のビクターエンタテインメントの本社ビル屋上でのライブなどがオンエア。インターネットによる同時放映も試みられ、当時のアクセス記録を更新している。

 11月には40枚目のシングル「BLUE HEAVEN」をリリース。この年の「Act against AIDS97」は「桑田佳祐 歌謡サスペンス劇場」と題して、兵庫・神戸ワールド記念ホールで1公演、神奈川のパシフィコ横浜国立大ホールで2公演が行われた。

 サザンの音楽ルーツのひとつにもなっている「昭和の歌謡曲」の名曲を、桑田流のアレンジで歌うという内容で、美空ひばりから郷ひろみまで30曲を歌い上げた。さらに、サプライズ企画として、お客さんをステージに上げてザ・ピーナッツの「恋のバカンス」をデュエットするという企画コーナーもあった。

 この年から、単独の年越し公演は12月27、28、30、31日の4日間公演が定着。97年は「おっぱいなんてプー」と題して横浜アリーナで繰り広げた。レアでコアな選曲にファンは酔いしれた。

 また、新曲「LOVE AFFAIR~秘密のデート」の初披露目と同時にプロモーション・ビデオの撮影も行うなど盛り上がった“年越しコンサート”となった。(芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)

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