zakzak

記事詳細

浅田美代子が“自称38歳”の女詐欺師を熱演 映画「エリカ38」

 少し前、怪しい出資話を募って何億円も騙し取り、トンズラした先のタイで逮捕された派手な女詐欺師のニュースが話題になった。62歳なのだが「38歳」と自称し、現地で若い男性と同棲、その若作りぶりが事件の本筋を離れてワイドショーを賑わしたものである。

 この実話をベースにした映画「エリカ38」(公開中)で、63歳の浅田美代子が迫真というより、詐欺師・エリカそのものになりきっている。

 亡くなる前、映画を企画した樹木希林さんが「浅田美代子が詐欺師を演(や)ったらおもしろいと思うのよ」と話し、ドラマ「時間ですよ」以来の付き合いである彼女をキャスティング。エリカの老母も演じている。

 後半、出資者たちに罵声を浴びせられてもエリカは、「私も被害者なのよ」と平然としている。

 「騙された人間が悪いと言われたら、そりゃあそうだ。でも不思議なことに、彼女に騙されたって、今でも思えないんだ」。出資者のひとりがそう語る場面は、ドキュメンタリーのようにリアル。詐欺を悪いことと思っていない感覚、被害者も騙されてなお気持ちがどこかで彼女と繋がっている肌合い。スタンダードサイズで、撮り方もアップ気味の場面が多く、客席が洗脳される側の立場に置かれる。

 こうやって人の気持ちの視野は、徐々に狭まってゆくのだろう。タイ人の若い恋人をその気にさせるエリカの濡れ場もなかなか激しい。監督は「健さん」「ブルー・バタフライ」の日比遊一氏。 (中本裕己)

関連ニュース

アクセスランキング