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【女優20年 米倉涼子というアイコン】「ドクター」イメージ見事に蹴っ飛ばし…“失敗しない女”から“失敗した女”へ 「リーガルV」

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 女優生活20周年を迎えた米倉涼子にとって、代表作『ドクターX』シリーズに続く新たなキャラクターが昨年の『リーガルV~元弁護士小鳥遊翔子~』だった。

 翔子は元敏腕弁護士だったが、暴力団との癒着? 問題で弁護士資格をはく奪された。そこで弁護士資格はあるが法廷経験ゼロの元大学教授、京極(高橋英樹)や極度のあがり症の若手弁護士、青木(林遣都)に目を付けて「京極弁護士事務所」を設立。自分はちゃっかり事務所の管理人になって「靴を減らして証人を見つけてこい!」「(気弱な青木に)このポチ!」とこき使うのだ。

 このドラマが興味深いのは、あらゆる点で『ドクターX』の逆になっていること。まず第一にドクターXの大門未知子は、医師免許とたたき上げのスキルだけが武器の「失敗しない女」だったが、『リーガルV』の翔子は弁護士資格を失うという「失敗した女」。おかげで彼女の口ぐせは、「私、弁護士資格ないんで~」である。

 また「孤高のフリーランス医師」だった大門未知子とは対照的に翔子は常にチームで勝負に挑む。そのメンバーであるパラリーガルが元ストーカー(荒川良々)、横領して男に貢いだ元大手銀行員(安達祐実)、現役ホストの二枚目(三浦翔平)とくせ者ばかりなのも面白い。翔子は勝てば巨額の報酬を期待できるのに、どう考えても勝てそうにない案件を引き受ける。

 たとえばパワハラで解任され、会社に3億2000万円もの賠償を求める訴訟を起こした大企業の元女性役員(斉藤由貴)の一件。彼女が部下に「ビルから飛び降りろ!」と言い放つ音声データ(斉藤由貴、怖かった~)が出てきて、もうダメだ…と事務所のみんながあきらめても、翔子だけはこの件に裏があるとにらむ。「やられたらやり返す」と、どっかで聞いたようなセリフを言いながら、見事「裏」のそのまた「裏」まで探り当て、逆転勝利へと導いてしまうのだ。

 弁護士ドラマは数々あれど、資格のない女が資格のある弁護士を操って勝利するというのは前代未聞だが、「強気」「悪女」「失敗しない」といった米倉のイメージが確立していたからこそできたドラマといえる。米倉が次に長い足で何を蹴っ飛ばすのか。ますます期待が高まる。=おわり(コラムニスト)

 ■米倉涼子(よねくら・りょうこ) 1975年8月1日生まれ、43歳。神奈川県出身。92年の第6回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。93年にモデルデビューし、雑誌『CanCam』などで活躍。99年6月の「女優宣言」後、テレビ朝日系『ドクターX』シリーズは当たり役に。2012年7月には主演ミュージカル『CHICAGO』でブロードウェーデビューも果たした。特技はクラシックバレエ。

 今年10月から『ドクターX』新シリーズの放送が決定した。

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