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デビュー直後、自転車の2人乗りで骨折…夏のイベントはすべてキャンセルに

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 長戸大幸さんの勧めで、私とギターの北島健二、それに長戸さんの弟である長戸秀介を加えた3人で「WHY」というユニットを結成しました。私と北島は音楽にしか興味がなかったのですが、秀介くんは当時ディスコでブイブイ言わせるタイプだったので、たしかに良い形で化学反応が起きればとても面白いものになったと思います。

 自分たちですべて作詞・作曲・編曲・プロデュースをして『WHY』というアルバムを作り、1979年5月にデビューしました。そしてミーハーな雑誌から音楽専門誌までどんな取材でも受け、『ぎんざNOW!』というテレビ番組にも数回出て、デビューとしては悪くない感触だったと思います。そして夏には大きなイベントも数本参加が決定していました。

 そんな6月、私と北島はなぜか青山墓地で夜中に自転車を2人乗りして遊んでいました。なぜそんなことをしていたのかよく分かりません。明かりもなく暗い中、坂道を2人乗りでスピードを出して遊んでいたのですが、坂の途中から階段になっていたのです。2人ともひどい転び方をして「痛えなぁ」と笑いながら、そのまま近くのビルの屋上で新聞紙をかぶって寝てしまいました。

 目が覚めて北島が「腕が痛い」というので病院に行くと、なんと骨折していてギプスで固められて帰ってきたのです。実は私もそのとき肋骨(ろっこつ)を骨折していたらしいのですが、随分たってから病院に行ったのでイビツにくっついていました。そんな状況で、結局夏のイベントはすべてキャンセルになってしまいました。

 秋になり、北海道のミルクキャンペーンソングとして『Milky Baby』という曲をリリースし、再スタートとなりました。そしてWHYとして初めてメジャーな歌番組に出たのです。本番で司会者が「この歌詞はどんな意味なんですか?」と打ち合わせになかった質問を秀介くんにしたところ、英語の苦手な彼は「さあ、よくわかりません」と正直に答えてしまいました。英詞は私が書いていたのですが、「そうなんですか。じゃあ歌ってください」とすぐに送り出されてしまったのです。

 すると次の日の新聞に「最近の若い連中は意味も分からずカッコつけて英語の歌を歌ったりしてる! けしからん!」(同4通)みたいな投書が載ってしまいました。まぁ、今でいう“炎上”状態ですね。「いやいや俺が作って、俺が歌ってるし」とか言おうにも、もう遅い。当時はツイッターやブログのような、こちらから発信するメディアなんてないですから。と、まぁすべて身から出たサビとはいえ、やることなすことうまくいかない状態でした。

 ■織田哲郎(おだ・てつろう) シンガーソングライター、作曲家、プロデューサー。1958年3月11日生まれ。東京都出身。現在「オダテツ3分トーキング」をYouTubeで配信中(毎週土曜日更新)。

 9月6日に東京「赤羽ReNY alpha」にROLL-B DINOSAUR(ダイアモンドユカイ、織田哲郎、CHERRY、ASAKI、JOE)で出演。

 「織田哲郎ライブ・ツアー2019」は10月19日(土)=大阪・BIG CAT▽20日(日)=名古屋・ReNY limited▽25日(金)=東京・日本橋三井ホールで開催。FC先行チケット受付中。詳細は公式サイトへ。

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