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「夜尿症」早めの対処を 放置するとイジメの対象に

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「夜尿症」早めの対処を 放置するとイジメの対象に

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夜尿症の主な治療法のひとつ、抗利尿ホルモン剤  小学校に上がる年頃になってもおねしょをする、いわゆる夜尿症の子供は全国で80万人以上いるという。それでも小学校の高学年になればと楽観視する親も少なくないようだ。しかし、考えているほど簡単に治ることはなく、そのまま思春期に差しかかれば、心因的な問題に発展する可能性大というから侮れない。親としてどう対処するか。

 「おねしょなんてそのうちしなくなると甘く見ていたんですが、4年生になっても頻繁にするんで心配になってきたんです」

 こう話すのは高橋正さん(43)=仮名。長男のおねしょは月に3回から4回。夜の水分を減らし、寝る前にトイレを促すのだが、やってしまうと嘆く。そこで、自治体の広報誌で見つけた夜尿症カウンセリングを受けさせたところ、予想もしていなかった事実が発覚した。いじめを受けていたのだ。

 「いつまでもおねしょをしてしまう自分は劣っているんだと悩むうちに自尊心をなくしてしまうんです。そうなると、どこか自信なさげで萎縮してみえるようになり、いじめの対象になりやすいという傾向があります」と、話すのは夜尿症患者の心理ケアも行うカウンセラー、田村節子氏。

 「このケースの場合、やっかいなのは学校だけでなく妹や弟にからかわれること。これに加えて親からの叱責がトラウマとなるととても強い精神的なダメージになるでしょう」(田村氏)

 まず親ができるのがメンタル面のケア。「間違っても責めたてたり、罰として下着やシーツを自分で洗わせたりしてはいけません」と田村氏は力説する。

 子供の精神面に悪影響を与えないためにも早期治療が重要だと、夜尿症を専門とする小児科医、吉田茂氏は話す。

 「夜尿症を疾患だと考えていないことが長期化の原因になっているケースが多いですね。身体の問題なのですから本人が悪いのではないことをしっかり伝えて、なるべく早い時期から専門医の治療を受けるべきでしょう」

 放っておいた場合の1年後の治癒率は10%から15%。専門医の治療を受ければ約50%が1年後には完治するという。

 「治療は、尿を濃縮する効果のある抗利尿ホルモン剤かアラーム療法が主流です」(吉田氏)

 アラーム療法とは、下着に付けた薄いセンサーが水分を察知すると音や振動で排尿を知らせる行動療法。防衛反応により夜間のぼうこう容量が増えるという。

 こうした治療と並行して水分摂取の調節も欠かせない。とはいえ、水を飲むなというのは荒療治でしかない。コツは、朝、昼は自由に飲ませて、夕食時はコップ1杯にする、あるいは、就寝2時間前は水分を取らないと決めることという。また、おねしょの有無を日記につけることもモチベーションアップに役立つ。成果が現れたら褒めてあげることで自尊心を取り戻すきっかけにもなるようだ。

 当事者である子供は親が思っているよりおねしょを深刻に受け止めているケースが多いという。年次が上がれば、修学旅行や林間学校もある。速やかに専門医に診せることが、子供を守ることになるのだ。

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