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医療は話術、常に患者ファーストを徹底 河北総合病院 耳鼻咽喉科科長・篠原宏さん

 ★河北総合病院(東京・阿佐ヶ谷)耳鼻咽喉科科長・篠原宏さん(53)

 医療は話術。つくづくそう感じさせる名医が、東京・阿佐ヶ谷にいる。

 河北総合病院耳鼻咽喉科科長を務める篠原宏医師がその人。「めまい」の治療を中心に、耳鼻咽喉科領域全般を対象に診療に当たっている。

 手術の症例数も豊富だが、現在は外来一本に絞っている。

 「外来は面白いですよ。小さな症状の特徴を捉えて、意外な病気を見つけ出していくことがある。これなどは医者としての醍醐味でしょうね」

 過去には、めまいを訴える患者の“目の動き”から肺がんを見つけ出したり、小児のマイコプラズマの感染症のめまいから脳炎を探り当てるなど、耳鼻科の範疇(はんちゅう)を超える全身的な診断に結び付けたこともある。

 「大学で教わることではなく、医者になってから自分で勉強して身につけていった知識です。めったにあることではないから大学では教えないんだけど、僕はたまたま知っていたから見つけられた。やっぱりうれしいし、何より患者さんに感謝されるのがうれしいですよ」

 外来で説明する時は、常にメモ用紙に書きながら話をする。

 「耳鼻科の病名は難しいものばかり。“ヘントーシューイノーヨー”なんて言われたって患者さんは分かりませんよ。だから紙に『扁桃周囲膿瘍』と書いて渡すんです。家に帰って自分の病気をネットで調べる時に便利でしょう?」

 大規模病院に紹介するときは、患者の希望を優先する。その上で、「行ってみて相性が悪いと思ったら、遠慮なく戻ってきていい」と言って送り出す。

 「東京は病院も医者も多いんだから、無理して相性の良くない医者にかかる必要もない。僕は地方の大学出身なので、東京では妙なしがらみもないんです。フリーハンドの強みを生かさないとね」

 患者ファーストを掲げる医師は多いが、ここまで徹底して実践する人は珍しい。真の地域医療の姿がここにある。(穐田文雄)

 ■篠原宏(しのはら・ひろし) 1964年、青森県生まれ。89年、旭川医科大学医学部卒業。旭川医科大学病院、旭川赤十字病院、総合新川橋病院(川崎市)勤務を経て、2012年から現職。日本耳鼻咽喉科学会専門医。日本めまい平衡医学会相談医。身体障碍者福祉法指定医(聴覚、平衡、音声、言語)。趣味はバイク。

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