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人もペットも高齢化… 老老介護にどう対処したら良いか

 日本人の平均寿命は、女性が87・14歳(健康寿命は74・79歳)、男性が80・98歳(同72・14歳)で、65歳以上の高齢化率は27・7%となり、先進諸国の中で最も高齢化が進んでいる。一方、ペットも高齢犬の7歳以上は58・9%、高齢猫は44・7%とそれぞれ高齢化が進んでいる。

 高齢者がペットと暮らすメリットは「血圧の安定」「認知症の予防」「情緒の安定」「ストレスの減少」「責任感の醸成」「寂しさの減少」「失語症の予防」「健康寿命の延伸」など、さまざまある。

 しかし、一方、近年高齢者と高齢ペットの老老介護の問題が大きくクローズアップされるようになってきた。老老介護の対処の仕方、問題解決には次のような5項目が考えられる。

 (1)ペットを迎え入れる際に、まず自分自身の年齢、ペットの年齢と平均寿命を確認し、生涯にわたってのペットのケア計画を立てることが大切だ。犬の平均寿命は14・19歳、猫の平均寿命は15・33歳。高齢者がペットを迎え入れる場合は、子犬や子猫より、性格が安定し、社会性がある成犬・成猫あるいは高齢犬・高齢猫と暮らすのがお薦めだ。

 また、高齢者の力でコントロールできる超小型・小型犬や猫、うさぎ、小鳥などの小動物と暮らすことをお薦めしたい。

 (2)高齢者がペットと暮らす効用を考えると、健康でペットのケアができる間は、できるだけ自宅で犬との散歩や高齢ペットの世話をすることが望ましい。時にはペットの訪問看護サービスを受けるのも良いだろう。

 (3)1人暮らしの高齢化率は、女性が21・1%、男性が13・3%となってきた現在、高齢者の見守りサービスを含め、ペットのケアや散歩代行サービスなどは積極的に活用したい。ペットも高齢化により、食事をとることができなくなり、排泄(はいせつ)困難や、床ずれ、夜泣きを含む認知症、高齢に伴うがんや心臓病などを患う。獣医療、療法食の活用、介護など、さまざなケアが必要になる。

 高齢者がペットに寄り添うことができなくなったときのことを想定し、家族や親戚、友人、里親制度実施団体、かかりつけの動物病院、信託制度の活用など、誰にペットの介護をしてもらうか、将来のことを予測し決めておく。

 (4)米国の「タイガープレイス」のように、高齢者がペットと一緒に一生暮らせる高齢者施設で、人とペットの両方のケアが充実した所に入居する。24時間365日常駐の職員が相談、緊急対応・支援が可能な施設が望ましい。

 (5)長く暮らしてきたペットと高齢者を引き離すのは推奨できないが、高齢者の認知症などで、ペットを高齢ペットのケア施設に預けることも必要となる。しかし、このような施設はできれば高齢者が毎日ペットと会えるように、高齢者施設に隣接して設置することが理想だ。

 いずれにしても、高齢者が一緒に暮らし始めたペットとの共生をできる限り長く支援できるインフラ整備を確立することが、真の人とペットの共生社会の実現につながるだろう。

 ■越村義雄(こしむら・よしお) 一般社団法人「人とペットの幸せ創造協会」会長。同ペットフード協会名誉会長。一般財団法人日本ヘルスケア協会理事、「ペットとの共生によるヘルスケア普及推進部会」部会長など。

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