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3つの山口組分裂騒動は今後どうなっていくのか 事情通対談 (2/2ページ)

 しかしその意味で歴史に“if”があるとすれば、もし神戸山口組が2015年8月の分裂後から年内くらいまでの間に、六代目に本気で抗争を仕掛けていたらずいぶん流れは違ったのではないか。神戸内の主戦派は悔しそうにそう言います。分裂直後は溝口さんをはじめ報道の熱が離脱した神戸側にあり、追い風が吹いていたわけですから。

 溝口:神戸山口組は発足するにあたり、移籍に難色を示していた入江禎副組長に対し、井上邦雄組長が「荒事(危険なこと)は一切私のところ(出身母体の山健組)でやりますから」と口説いたと言われています。しかし、実態は違って、誰よりも井上組長自身が抗争をやりたがっていない。2016年5月に神戸山口組の池田組若頭が弘道会系組員に射殺されたときの「返し」すらしなかったのは、求心力の低下に繋がったと思います。それで今になってヒットマンを織田代表に向けても、遅いのではないか。

 鈴木:ただしもし明日、神戸山口組が任侠山口組の織田代表の命を取れば、流れが逆転する可能性がある。織田代表が目立てば目立つほど、です。

 溝口:このまま神戸山口組の求心力が低下していくなら、さらなる離脱を招き、神戸の主要組織を任侠が受け継ぐことになるでしょう。この時、はじめて六代目は任侠と敵対を始めると思います。将来的に任侠山口組と六代目山口組が衝突する構図が見えてくるのではないか。

 鈴木:それが神戸、名古屋以外の地域にも波及するかもしれない。まだまだ抗争の先は長そうですね。

 ●溝口敦(みぞぐち・あつし)/1942年東京浅草生まれ。早稲田大学政経学部卒。『食肉の帝王』で講談社ノンフィクション大賞を受賞。『暴力団』『続・暴力団』(ともに新潮社)、『ヤクザ崩壊 侵食される六代目山口組』(講談社+α文庫)など著書多数。

 ●鈴木智彦(すずき・ともひこ)/1966年北海道札幌生まれ。『実話時代』の編集を経てフリーライターへ。『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文春新書)など著書多数。『全員死刑』(小学館文庫)が11月に刊行予定。

 ※週刊ポスト2017年10月13・20日号

NEWSポストセブン
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