zakzak

記事詳細

基盤強化へ賭けに勝った衆院選、安倍政権は「国難」対応へ本腰 希望や民進の分裂劇は「お気楽な喜劇」

★(1)

 解散・衆院選を経て1日、第4次安倍晋三内閣が発足した。閣僚は安倍首相自ら「仕事人内閣」と称した第3次安倍第3次改造内閣の陣容を継承した。閣僚には文字通り「仕事人」として内外の困難な課題に取り組むことを期待している。

 この内閣は「戦時内閣」となる可能性がある。来年年明けとも言われる米軍による北朝鮮への空爆は、わが国も人ごとではない。北朝鮮の核搭載ミサイルは日本にも向けられている。その脅威を取り除く措置を米軍が取るに当たり、外野から眺めているわけにはいかない。

 米国の同盟国として、どのような措置が取れるのか。場合によっては、わが国の尊い人命が犠牲になることも考えられる。政府にはこれまでにない緊張感が求められている。

 衆院選は与党大勝となったが、衆院の解散については、その「大義」が問われた。野党や一部メディアは「森友・加計疑惑隠し」と騒いだが、大局を見ない者の発想でしかない。

 安倍首相にとっても衆院解散は賭けだった。結果、議席減とはならなかったが、当初は大幅な議席減も覚悟していたはずだ。選挙の勝敗ラインを「与党で過半数」と述べたのは正直な気持ちだったろう。だが、大幅に議席を減らしてでも衆院選に打って出る「大義」があった。

 安倍首相は「国難突破解散」と銘打ったが、まさに「国難」に対応し、突破するための選挙だった。解散表明の会見では多くを語らなかったが、「国難」とは明らかに北朝鮮有事を指している。これに対応できるのは自分たちしかない。森友だの加計だのと騒いだり、安保法制を「戦争法」と批判することしか能のない野党には対応不可能だ。

 内閣支持率は下がったが、衆院選で国民の信任を得て政権基盤を固め、そのうえでこの国難に対応する。そういった思いだったろう。野党や一部メディアは「政治空白をつくるな」と批判したが、むしろ政権基盤を強固にすることが解散・衆院選の目的だった。

 そして、安倍首相は「賭け」に勝った。今後4年間の信任を得たことで、腰を落ち着けて国難に対応できる。衆院選での大勝が確実になった際にも首相が笑顔を見せなかったのは、これから立ち向かわなければならない「国難」の困難さを思っての緊張感の表れだったろう。

 これは政権を担う者のみに課せられた苦悩だろう。それを思うと、希望の党の結党や、民進党の分裂劇は「お気楽な喜劇」でしかない。衆院選の結果を見て、国民は賢明な判断をしたと、つくづく思う。

 ■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒業、同大学院政治学研究科博士課程中退。専攻は憲法学、思想史、国家論、人権論。第2回正論新風賞受賞。高崎経済大学教授などを経て現在、麗澤大学教授。教育再生実行会議委員、法制審議会民法(相続関係)部会委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長など。著書に『憲法改正がなぜ必要か』(PHPパブリッシング)、『公教育再生』(PHP研究所)など多数。

アクセスランキング