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あきれた…野党の「災害ズル休み」 「審議を遅らせるための口実」がミエミエだ

 西日本の各地を襲った「平成30年7月豪雨」は、記録的な被害をもたらした。多くの人は当初、これほどの被害が出るとは予想しなかったのではないか。

 雨が降り始めた7月6日朝、私は新幹線で大阪に向かっていたが、車内アナウンスは「遅れが出ている」程度だった。それが途中から「新大阪から先は運休になります」に変わり、新大阪駅に到着したのは結局、品川駅を出てから5時間後だった。普段の倍以上である。

 その後も雨は降り続け、被害は同夜から翌朝にかけて拡大していった。

 亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者のみなさまには、心からお見舞いを申し上げたい。これから生活再建だけでなく、心のケアも重要になる。とりわけ、高齢者には行政が目配りしてほしい。

 大災害を目の当たりにして、改めて感じるのは河川や橋といったインフラの弱さだ。かつて、民主党政権は「コンクリートから人へ」を叫んでいた。だが、こうなると、やはりコンクリートは重要である。

 河川の氾濫や土砂崩れを抑えられれば、かなりの被害は軽減できただろう。美辞麗句だけでは、暮らしの安全・安心は確保できない。安倍晋三政権はこの際、国土の脆弱(ぜいじゃく)性を点検して、着手できる部分から予防対策を強化する必要がある。

 例えば、ハザードマップの積極活用も1つだ。大きな被害が出た岡山県倉敷市真備町船穂地区の被災地域は、市のハザードマップで被災時に「軒下以上の浸水」が指摘されていた危険地域とほぼ重なっている。

 行政は危険を認識し、河川改修工事を予定していたが、残念ながら間に合わなかった。だが、地元住民や企業も事前にマップをしっかり頭に入れて、住宅や施設の建築、改修に役立てていれば、被害を最小化できた可能性はある。

 住民にどう危険性を告知して対策を促すか。補助金や減税措置の活用も考えられる。ここは国だけでなく、自治体も本気で取り組むべきだ。

 あきれたのは、野党の対応である。

 立憲民主党の枝野幸男代表と、自由党の小沢一郎代表は8日会談し、災害対応を優先するために、国会審議を一時中断すべきという考えで一致したという。会談に同席していた立憲の福山哲郎幹事長は直前の党会合で、安倍首相の外遊計画について、「国会をさぼりたいために外遊するのか」と批判していたのではなかったか。

 それが一転、自分たちの方からサボリを言い出してどうするのか。まったく話にならない。

 こういうときこそ、腰を落ち着けて政策を考え、議論するために国会議員がいる。それが審議中断を言い出すとは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案などの「審議を遅らせるための口実」であるのがミエミエだ。党利党略のために大災害を利用しているのである。

 そもそも、旧民主党議員たちは「コンクリート」を軽視した自分たちの政策をどう総括しているのか。この際、国会のズル休みを言い出す前に、まず旧民主系野党は「自分たちの反省会」を開いたらどうか。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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