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家族の弱み聞き出し接待攻勢、暗躍する「霞が関ブローカー」 不祥事体質払拭できぬ文科省

 文部科学省の受託収賄事件では、「霞が関ブローカー」なる人物の存在が報じられている。中央省庁にこうした人物が出入りすることはあるのか。どのようなことが目的なのか。

 文科省の局長クラスでは、佐野太・前科学技術・学術政策局長が収賄罪で起訴されたのに続き、川端和明・前国際統括官も収賄容疑で逮捕された。

 接待をしていたコンサルタント会社の谷口浩司・元役員も佐野被告とともに起訴されたが、谷口被告は川端容疑者への接待も行っていたと報道されている。佐野被告と川端容疑者は旧科学技術庁に1年違いで入った先輩後輩の関係だった。

 2人を接待していた谷口被告は、いわゆる「霞が関ブローカー」で、権限を持つ官僚と、関係業者など利害関係者の間を取り持つ。2人以外にも、経済産業省や総務省官僚らとのつながりも噂されている。

 こうした「霞が関ブローカー」は、政治家とのつながりもあり、今回の件では野党議員2人との関係もあるとされている。果たして野党は「モリカケ」のようにこの問題を追及できるのだろうか。

 筆者は今回の関係者の構図を見て、20年前の「大蔵省スキャンダル」を思い出した。その時にも、今回のような「霞が関ブローカー」が存在し、大蔵省幹部に食い込んで、次々と交友関係を拡大していた。

 当時、金融機関の「MOF担(大蔵省担当)」以外に、外資系情報機器メーカーのえたいの知れない人物などが大蔵省内を闊歩(かっぽ)して、幹部室に入り浸っていた。彼らは、夜は飲食接待、休日はゴルフ接待し省内に食い込んでいた。筆者も、某幹部から急に幹部室に呼ばれたら、その「霞が関ブローカー」がいて、紹介されたこともある。

 今回、起訴された谷口被告は、多くの情報を捜査当局に提供しただろうから、情報の一部がリークされ、霞が関や政界に波及してもおかしくない。

 それにしても、報道によれば、2人は霞が関ブローカーの谷口被告と家族ぐるみの付き合いというからさすがに驚いた。接待攻勢を何とも思わなかったのだろうか。家族の弱いところを聞き出すのは、霞が関ブローカーの常套(じょうとう)手段であるが、それにやすやすと乗ってしまったのだろうか。

 また、接待というのも古典的な話だ。20年前の大蔵省スキャンダルによって、国家公務員倫理法が1999年に作られ、2000年4月から施行された。同法に基づき国家公務員倫理規定が制定され、利害関係者との接待は禁止され、利害関係者との飲食は届け出ることとされている。

 今回の不祥事が文科省以外にも広がる可能性はあるが、少なくとも文科省は、接待、天下りが今でもあることが明らかになった。前川喜平・前次官らが引責辞任した天下り斡旋(あっせん)も、今回の局長級2人の接待も、それぞれ国家公務員法違反、国家公務員倫理規定違反である。局長級2人は収賄となれば、刑法違反にもなる。霞が関ブローカーはその幇助(ほうじょ)となるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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