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LGBT「生産性ない」で炎上を俯瞰、未来の人間社会では?

 「宇宙、それは最後のフロンティア…」

 このナレーションで始まる米国のテレビシリーズを、みなさんは覚えていらっしゃいますか? 映画化もされて、再ブームが到来している「スタートレック」のオープニングです。

 このドラマの世界観はとても壮大です。地球からは貧困や戦争などが無くなっていて、見た目や個性に対する偏見・差別はまったく存在しない。ある意味、「理想的な世界」となっている未来の話です。貨幣経済もなくなり、人間は富や欲望ではなく、ただ、「人間性の向上」を目指して生きているのです。

 告白しますが、私は熱心なファン「トレッキー」でしてね(笑)。

 さて、AIの発展で、人間の価値観が大きく変わっていくであろう今日、実際の人間社会が「リアル・スタートレック」の世界へ向かい始めたと私は予測しています。

 人間の生産性とは何か? 今その価値観が急激に変わろうとしていることを、すべての人が認め、理解しなければならない時代に人類はたどり着いたのです。

 身を粉にして働くことへの疑問、いじめやハラスメントに我慢することへの反発、差別や偏見を許さない世のあり方…。こういった運動が活発になっているのは、人間社会が理想郷を生み出すための「陣痛」を感じている真っ最中なのだから。

 LGBT(性的少数者)への行政支援を「生産性がない」といった自民党の杉田水脈衆院議員の発言に、多くの批判が集まるのも、この流れの一部ですよ。

 未来の人間社会から語りますと、生産性がない人間など存在しません。「子供を産まない彼らに税金を使ったとしても生産性がない」。それは間違いです。人間の価値は、属性で決まるものではない。子供を産む産まない、働く働かない、無知か知識人か? そんなことで人を判断する時代は終わるのです。

 人はただ、己と向き合い、なぜ生まれて、どう生き、人生を閉じていくか。そこに哲学が生まれ、美しき芸術も生まれてくるのでしょう。

 人間には全員、コンプレックスがあります。実は、これこそ、何のために自分が生まれてきたかを読み解く「コード」だと思っていいでしょう。自ら背負ってきた「運命の大意」を読み解くことが、人間の存在意義となっていくのです。同時に自分の立場を、何かの責任にする時代も終わっていく。何かあったら国会議事堂の前で、政治の責任にしてきた人たちの行動も終焉(しゅうえん)を迎えます。未来には権力も財力も、ましてや政権与党なんてものもないのです。

 あなたは何のためにこの地球に存在しますか?

 さあ、あなた自身がコンプレックスに語りかけてください。私のコンプレックス!? うーん。何かあったらすぐ炎上するところかな(笑)。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

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