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中国の国連分担金比率増、旧ソ連の“事例”の繰り返しか 日本はしたたかに活用せよ

 国連への分担金を米国が未払いだとして、「現金が底をつきそうだ」と報じられた。一方で、中国の分担金が日本を抜いて2位になるという。国連という組織のあり方や日本の立場について考えてみよう。

 国連分担金については、国民総所得(GNI)など各国の経済力を基に3年に1度改定される。

 2016~18年の3年間において、各国の分担率は米国22・0%、日本9・68%、中国7・921%、ドイツ6・389%、フランス4・859%、英国4・463%などと定められている。

 次の3年間である19~21年の分担率は、中国が12・01%と試算されており、日本を抜いて第2位になるようだ。このほか、米国22・0%、日本8・56%、ドイツ6・09%、英国4・57%、フランス4・43%である。

 なお、13~15年の分担率をみると、米国22・0%、日本10・833%、ドイツ7・141%、フランス5・593%、英国5・179%、中国5・148%だった。ここで中国は6位だったが、その後3位、2位と急速に順位を上げている。

 筆者は、中国の経済統計に疑問を持っている。国内総生産(GDP)統計も変動幅はせいぜい0・1%と、国際経済が激動する中で統計的には信じがたいほど安定していることも、統計捏造(ねつぞう)の懸念を払拭できない。

 こうした事情があるので、中国の分担金を気にする必要はない。かつては旧ソ連もかさ上げされた経済統計によって米国に次いで第2位の負担率だったが、ソ連崩壊で粉飾が判明し、現在のロシアの分担率は3・088%で第9位である。

 日本語で「国連(国際連合)」と呼ぶが、英語では「united nations」だ。これは第2次世界大戦での「連合国」であり、「国際」という意味はない。その名残として、国連憲章に日本、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、フィンランドを想定した「敵国条項」がある。日本は常任理事国入りを目指しているが、その前に「敵国条項」を廃止する必要がある。

 1995年の国連総会で敵国条項を削除することは採決された。しかし、国連加盟国の国内手続きによる批准が済んでいない。死文化しているといわれるが、外交では障害になるとの指摘もある。現実に加盟国の批准が進まない状況は、やはり問題である。

 国連は、これまで米ソの冷戦時代をうまくハンドリングして、2001年にノーベル平和賞が与えられた。国連を日本の外交に手段として利用するのはいいだろう。もっとも、外交手段は、多国間の国連だけではない時代にもなっている。先進国間のサミット、それに中進国を加えたG20もある。

 国連加盟国は17年10月現在で193カ国あり、先進国・中進国以外の国も含まれている。そうした国への日本の国際貢献アピールとして国連分担金があると考えればいい。日本も分担金政策をうまく使うしたたかさが求められている。日本の分担金の位置づけは高いので、それを利用しない手はない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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