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東京医大による女子合格抑制の波紋 詐欺で損害賠償の訴え出るか、就職試験なら法律違反に

 東京医科大学の入試で女子の合格を抑制していたという。今回の問題は、文部科学省役人の汚職事件の関係で表面化したが、女子の受験生にとってはショックだろう。

 一般的な大学入試のイメージは、学力試験の結果によって裁量の余地なく一発で入学者を決めるというものではないか。こうした一般入試のほか、最近は、アドミッションズ・オフィス(AO)入試や推薦入試という学力以外の試験も多くなっている。

 文科省の国公私立大学入学者選抜実施状況(2017年度)によれば、AO入試の入学者数の比率は国立3・3%、公立2・4%、私立10・7%。推薦入試の入学者数の比率は国立12・2%、公立24・4%、私立40・5%だ。つまり、私立ではすでに学力試験による一般入試は2人に1人なのだ。

 AO入試や推薦入試は、大学が求める基準による選抜である。高校時代の成績も加味されるなど、全て大学側の裁量というわけではないが、それでも一般入試と比べれば裁量の余地はかなりある。

 これらの入試方法は、学力以外の多様な経歴、能力、資質、個性をもつ入学者の選抜を目的とするため、学力試験による一般入試の公平性を過度に求めるのは無理がある。多様な入学者の選抜は公平性とはトレードオフ(二律背反)の関係があるからだ。もっとも、AO入試でも、医学部などでは、大学入試センター試験や大学独自の個別筆記試験を課すこともある。

 では、東京医大の問題は何か。公平性を前提とした一般入試において、公平な扱いをしなかったことだ。女子の受験生から東京医大に対し、入試が詐欺だったとして損害賠償の訴えが出てくるかもしれない。

 もしAO入試や推薦入試で、あらかじめ決められた手順に基づいた結果であれば、問題はなかったかもしれない。どんな入試方法でも、選考結果の透明性が求められるが、それが確保されていれば大きな問題にはならない。

 これをもっと単純に表現したのが美容外科医の高須克弥氏で、「東京男子医科大に改名すればよい」とツイートした。

 たしかに、東京医大の近くには、東京女子医大もある。政府見解でも、「男女別学であっても、教育基本法及び憲法第十四条に違反するものではない」とされている。

 そもそも、医学部の定員を増やしておけば、こうした小細工は不要になることも指摘しておこう。

 ただし、就職試験で男女差別をやったら問題だ。男女雇用機会均等法があるからだ。例えば、採用募集の段階で「今年は10人新規採用する予定の中、男性7人、女性3人採用する」とか、採用選考の段階で「男女の構成比を考慮して、男性(女性)の選考基準を女性(男性)よりも厳しくする」というのは原則法律違反になる。男女雇用機会均等法は1985年に制定されて33年もたつ。いまではあからさまな法律違反はみられない。(元内閣参事官・嘉悦大教授)

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