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「携帯料金4割下げ」菅氏発言、総務省は「寝耳に水」と驚き 大手携帯キャリア“応援団”から批判も、デフレ脱却への悪影響なし

 菅義偉官房長官が国内の携帯利用料金について「4割程度下げる余地がある」と発言したことが話題となっている。

 この発言は8月21日の講演の場で行われたが、当然のことながら個人的なものではなく、政府の意図とみたほうがいい。野田聖子総務相は同23日、携帯電話市場の競争促進策などを議論するように情報通信審議会に諮問した。

 なお余談だが、総務省の担当役人は菅発言を「寝耳に水」といっているようだが、担当大臣の野田氏より先に菅氏が総務省の方針を発言するのは、両者の現時点の力関係を如実に表しており、9月の自民党総裁選を控えて、政治的には大変興味深い。

 菅発言の「4割」の根拠は、どうも英国と比較して、日本では格安携帯会社以外の大手携帯3キャリアの料金が倍以上高いということから、出ているようだ。

 例えば、英国のボーダフォンの携帯料金は、SIMカードだけのプランでは3GB13・5ポンド(約1950円)、5GBで16・5ポンド(2350円)などとなっている。他の会社でも似たりよったりの料金である。

 日本でも、ネット上で格安SIMで音声通話を探せば、3GBで1500円程度、5GBで2000円程度のものを見つけられる。こうしてみると、大手携帯3キャリアでなければ、日本と英国の携帯電話料金は、日本のほうが若干安いか同じようなものだ。

 たとえばNTTドコモの場合、スマホの基本プランをカケホーダイにしてパケットパックを3GBで選んだ場合約7000円、5GBなら約8000円だ。他の会社の携帯料金も、いまやネットで簡単に調べることが可能だが、日本の大手携帯3キャリアの料金は、英国や、日本の格安携帯会社に比べると総じて高い。

 こうした指摘に対して、大手携帯3キャリアのいわゆる「応援団」の人から、いろいろと批判が出ている。

 第1に、日本の格安携帯会社は、大手携帯3キャリアから回線を借りているので、昼のピーク時などは回線が遅くなるとかのデメリットがあるので安い、といったものだ。第2に、大手携帯3キャリアはスマホの販売促進になっており、その収益減はスマホメーカーに悪影響が出るというもの。第3に、大手携帯3キャリアが4割の値下げをしたら、格安携帯会社の経営が成立しなくなって、日本経済にマイナスというものもある。

 ただ、第1の点は、消費者が賢く選択すればいいだけだし、第2や第3の点は会社サイドの言い分で、競争の否定となり問題外だ。

 一方、日本はデフレ脱却を目指しているのに、携帯料金の値下げを言うのは矛盾している、という反論もある。しかし、心配は無用だ。携帯料金の値下げで浮いた分は、他の消費に振り向けられるので、全ての個別価格の平均である「一般物価」には影響が出ない。デフレは一般物価の話であり、個別価格の話ではないのだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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