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「消費税の30年」失敗の本質 デフレ下では景気腰折れに 財政金融同時発動が必要だ

 日本に消費税が導入されたのは1989(平成元)年だが、それから約30年、日本経済にどのような影響を与えたのか。新しい時代に10%に引き上げて大丈夫なのか。

 消費税率の歴史をみると、89年4月から3%、97年4月から5%、2014年4月から8%となった。

 10%への引き上げは、民主党の野田佳彦政権時に15年10月からとされていたが、安倍晋三政権になってから17年4月からに延期され、さらに19年10月からへ再延期されている。

 19年10月からの消費増税は既に法律でも決まっており、今年、大きな政治イベントがないことから、覆すのは客観情勢ではかなり絶望に近い。

 筆者は、現在の財政状況は危機とはいえないので政策論として消費増税に反対であるが、実際、増税実施に向けて実務作業は着々と進んでいる。19年4月30日に「平成」は終了する予定であり、新時代の門出で消費増税になる公算が大きい。

 ここで、平成時代の経済環境を振り返っておこう。デフレとは持続的な物価下落のことで、国際機関では2年連続の一般物価の下落を指すことからみて、日本は1995年からデフレ経済だ。つまり、平成の直後からデフレになっている。

 3回の消費増税では、1回目の89年の3%消費税創設は、経済への影響は少なく、名目成長率7・3%、実質成長率4・6%だった。その理由は、バブル経済の中で景気過熱感があったことと、消費税創設とともに、個別物品税の廃止を行ったからだ。

 97年の3%から5%への消費増税は、名目成長率0・8%、実質成長率0%と経済への悪影響があった。このときには既にデフレ経済になっており、先行する所得税減税があったが不十分だった。

 なお、この消費増税で景気が落ち込んだにもかかわらず、当時の大蔵省は景気後退の原因をアジア通貨危機のためだとし、学者などを動員してその説明を広めた。アジア危機が原因といっても、震源地である韓国やタイの景気回復は日本より早かった。日本だけが景気低迷していたのは、日本固有の消費増税によるものだといえる。

 2014年の5%から8%への消費増税では、名目成長率2・0%、実質成長率▲0・5%と大きく成長が落ち込んだ。なぜか「消費増税しても景気が悪くならない」という過度な楽観論が広く流布していたが、デフレ経済からまだ脱却していなかったうえ、ネット(正味)増税だったので、景気が悪くなるのは当然だった。

 こうしてみると、平成時代の3回の消費増税は、はじめこそバブル景気だったので失敗ではなかったが、その後の2回はデフレ経済下に行われたため失敗だったといえる。これから出てくる教訓は、デフレ経済を完全に脱し、バブル経済のような好景気でないと消費増税は景気の腰を折るということだ。

 その意味では、来年度予算で積極財政策をとり、同時に一層の金融緩和を行う「財政金融同時発動」によって、来年度の景気をデフレ脱却どころか過熱気味にする必要がある。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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