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玉城沖縄新知事「辺野古絶対反対」なら代替案を 出せなければ逃げ出した鳩山元首相と同じに…

 沖縄県知事選で、立憲民主党や共産党などの野党が支援した前自由党衆院議員の玉城(たまき)デニー氏が当選した。安倍晋三政権には打撃だが、難題はむしろ玉城氏の側に待ち受けている。

 言うまでもなく、「米軍普天間飛行場(宜野湾市)を名護市辺野古に移設しないなら、どこに持っていくのか」という問題である。

 玉城氏は「辺野古移設に絶対反対」を掲げて、当選した。安倍政権が支援した前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま・あつし)氏は移設問題への態度をあいまいにして選挙戦に臨んだ。それが裏目に出た形だ。ここは政権の反省点だろう。

 これから、どうなるのか。

 沖縄県は8月、普天間飛行場の移設先である辺野古の埋め立て承認を撤回し、玉城氏は県の方針を追認している。

 安倍政権は、裁判所に承認撤回の取り消しと、執行停止を求めて争う方針だ。国の安全保障に責任を持つ政府としては当然だが、知事になる玉城氏は法廷闘争を受けて立つだけでいいのか。

 知事は住民の暮らしと安全に責任を負っている。辺野古がダメというなら、代替案を示さなければならない。だが、選挙戦で代替案は一向に示されなかった。

 まさか、「世界一危険」と言われる普天間飛行場を現状のまま放置していいと考えているわけではあるまい。代替案を示せなければ、かつての鳩山由紀夫政権と同じになる。

 鳩山政権は「最低でも県外」と言い続けて、答えを示せず、結局、問題解決から逃げ出してしまった。玉城氏は無責任な姿勢をまたも繰り返しているように見える。

 玉城氏が法廷で戦うだけなら、普天間問題の解決にはならない。むしろ「代替案を示せないから法廷に逃げた」とさえ言えるのではないか。

 これまで、司法の場では、埋め立て承認の取り消しや、工事差し止めは認められず、県が敗訴している。この先も県に厳しい判断が下されるようなら、知事は苦しい立場に追い込まれる。

 さて、安倍政権は2日、内閣改造と自民党役員人事を決めた。

 焦点の石破派からは、元東京地検特捜部検事の山下貴司衆院議員(当選3回)が法相に抜擢(ばってき)されたが、石破茂元幹事長自身は、内閣にも党の主要ポストにも起用されなかった。これは当然だ。

 なぜかといえば、総裁選を戦った相手だからではない。最重要課題である憲法改正で、石破氏は安倍政権と異なる考えであるからだ。登用していたら、いざ憲法改正を進める過程で「思わぬ波乱」が起きかねない。

 安倍首相の側近である加藤勝信・前厚労相を党総務会長に起用したのも、同じ理由だろう。自民党は重要法案を国会に提出する前に、総務会の審査をパスしなければならない。だからこそ、信頼する人物を据えた。

 内閣官房副長官、厚労相に加えて今回、党の重要ポストに就いた加藤氏は、これで「ポスト安倍」レースに有力候補の1人として名乗りを上げた形になる。今回の人事で、もっとも注目すべき点である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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