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安倍首相訪中は尖閣守る絶好機 朝日の社説はいつまで寝ぼけた話をしているのか

 安倍晋三首相が25日から3日間の日程で中国を訪問している。首相の公式訪問は7年ぶりだ。米中が冷戦に突入するなか、日本はどんな立ち位置をとるべきなのか。

 私の結論を先に言えば、中国が日本との関係を改善したいなら、それを逆手にとって、沖縄県・尖閣諸島に対する威嚇を中止するよう要求する。それくらいの強かさで臨むべきだ。

 これは中国の姿勢を見極めるリトマス試験になる。こちらが失うものは何もない。相手が拒否するなら、関係改善も本気ではない証拠である。

 米国は、中国に「ガチンコ対決」で臨む決意を固めている。それは前回のコラムで書いたように、10月4日のマイク・ペンス副大統領の演説で明らかになった。

 本格的な冷戦の序章である米中貿易戦争で、中国は「勝ち目がない」と分かっている。米国の制裁関税に同じスケールで報復しようにも、そもそも、米国からの輸入額が米国への輸出額に匹敵しないので、対抗しようがないのだ。

 そうなると、習近平国家主席はどうするか。容易に推察できるのは、日米同盟の離反工作と時間稼ぎである。そのために、反日姿勢を軟化させている気配がある。

 例えば、新たにパンダを貸し出すとか、日中通貨スワップ協定を結ぶといった話だ。後者は日本のためというより、中国が通貨危機に陥った際の保険の意味合いが強いが、関係改善の象徴にしたいのだろう。

 日本はその程度で目くじら立てる必要はない。相手が望むなら、鷹揚に応じてやればいい。それより尖閣問題である。

 中国はこれまで漁船や公船だけでなく、軍艦や潜水艦も派遣し、接続水域を航行させている。日本は海上保安庁や海上自衛隊が監視を続け、その都度、警告しているが、尖閣諸島について、中国の意図を確かめる絶好の局面を迎えている。

 米国は先のペンス演説で、改めて尖閣諸島に対する日本の施政権を確認した。いざとなれば、米国も「尖閣防衛に動く」と約束した。そうであれば、当事者である日本がさらに一歩、踏み込んで「中国は尖閣周辺から撤退せよ」と要求するのは当然である。

 それを言わなければ、逆におかしい。日本の覚悟を疑われて、なめられるだけだ。もちろん、安倍首相は甘くない。どこまで公表されるかは別にして、首相は断固とした姿勢で臨むだろう。

 情けないのは、日本の一部マスコミだ。朝日新聞は社説で「中国をより開かれた市場経済へ導く努力に踏み込むことが必要だ」と訴えた(22日付)。いつまで寝ぼけた話をしているのか。

 そんな努力は、米国が1979年に中国と国交を正常化して以来、巨額の資金を注ぎ込んで、散々やってきた。その揚げ句、「中国に裏切られた」と気がついて、貿易戦争になっている。

 日本企業も協力したのに、焼き打ちに遭った経過を忘れたのだろうか。お人よしはいい加減にしなければならない。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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