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「普天間の危険」放置 玉城デニー県政は“思考停止”状態

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 米軍普天間飛行場移設問題の地元というと、話題になるのは常に移設先の名護市辺野古で、同飛行場を抱える宜野湾市の声は、軽視されている感がある。メディアでも、なかなか発信されない。

 市街地の中心に位置し、「世界で最も危険」とも称される同飛行場。宜野湾市の松川正則市長は「市民は厳しい生活を余儀なくされ、苦悩している。一日も早く返還を実現してほしい」と繰り返し訴える。だが、玉城デニー県政が辺野古移設を妨害すればするほど、現実問題として返還は遠のく。誰のための反対運動なのか。

 玉城知事が就任後、初めて臨んだ10月の県議会。辺野古移設をめぐり、宜野湾市出身の又吉清義県議が悲痛な叫びを上げた。

 「みなさんが(移設に)協力すれば、あと3年で埋め立ては終わるかもしれない。そうなれば次の時代に進める。20年以上も同じ議論をしていることが悲しい」

 さらに、「情勢が変わり(辺野古の)基地が要らなくなれば、県民に返してもらえばいい。発想を変えよう」とも呼び掛けた。

 しかし、玉城氏は県議会で、辺野古移設を「負担の付け替え」と呼び、謝花(じゃはな)喜一郎副知事は「強制接収された(普天間の)土地を返してもらうために、なぜ、耐用年数200年とも言われる基地を提供しなければならないのか」と、普天間の無条件返還要求を繰り返すだけだった。

 謝花氏は、翁長雄志前知事時代からの留任だが、普天間問題に関しては、玉城県政も前県政同様“思考停止”状態から脱していないことが浮き彫りになった。

 元宜野湾市議の平安座唯雄(へんざ・ただお)さん(73)は「米国に基地提供の義務がある以上、辺野古は唯一の選択肢。埋め立て面積は普天間飛行場の3分の1だし、軍用機の飛行ルートも海上になるから危険性もほぼなくなる。これを負担軽減でないと主張するのはおかしい」と語気を強め、「市民が大変な思いをしているのに、なぜ県は移設を止めるのか」と、玉城県政への不信感をあらわにする。

 知事選と同時に投開票された市長選では、「移設推進」の安倍晋三政権が支援する松川氏が当選した。しかし、主要メディアでは知事選の結果のみ大々的に報じられ、市民の「民意」はかき消されてしまっている。

 ただ一つ明確なのは、普天間返還に向けた具体的な戦略を描けているのは安倍政権であり、玉城県政ではないということだ。しかも、安倍政権は、返還を確実に実現する決意を示している。移設で最も恩恵を受けるはずの玉城県政が「最大の抵抗勢力」になっている現実は、皮肉としか言いようがない。

 ■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

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