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“第3の躍進”はもう終わったのか 好調時の威勢の良さも、波引けば知らん顔…

★(3)

 日本共産党というのは、面白い政党で、もっともらしい理屈づけを行うと早々に破綻してしまうことを常としている。

 2013年参院選で、3議席から8議席に増やし、東京都議選でも8議席から17議席に増やすと“第3の躍進期”が始まったと定義づけ、全党を鼓舞した。1960年代終わりから70年代にかけてが“第1の躍進期”、90年代後半が“第2の躍進期”だそうである。

 同党のカリスマ指導者である不破哲三前議長は常々、「科学の目」で物事を見ることを強調してきた。『二十一世紀と「科学の目」』(新日本出版社)、『ふたたび「科学の目」を語る』(同) という著書もあるぐらいだ。

 “○○の躍進”というのも、深い科学的分析に基づいたものなのだろうと思うとさにあらず。今でこそ“第3の躍進”と言っているが、最初は久方ぶりの議席増に大喜びで“第3の躍進の波”がやってきたと言っていた。語呂が良かったのだろう。

 私があるテレビ番組の質問に、何と愚かなと思い「波は必ず引くよ」と言ったら、大慌てというか「波」を削除した。

 そもそも、躍進期を数えるほど愚かなことはない。第3は、第1や第2が終わったから訪れたのだ。次は第3が終わる番ということだ。実際、早くも終わりを迎えてしまった。それが昨年の衆院選だ。共産党は21議席から12議席に激減させた。

 わずか4年で躍進期は終わってしまったのだろうか。こういう際の言い訳も、共産党の得意とするところである。

 「市民と野党の共闘は、突然の逆流と分断に襲われた」というのだ。小池百合子都知事が率いる希望の党の結党と、民進党の解体である。確かに、志位和夫委員長が言うように、これが民進党による背信行為であったことは間違いない。

 しかし、わずか10カ月前には「野党と市民の共闘が発展してきた根底」には、「自民党政治が深刻な行き詰まりに直面し、『社会の土台での激動』がある。それは偶然ではない必然的な動きである。大局的には、後戻りすることは決してない」(=2017年1月15日、共産党大会、志位委員長の中央委員会報告)と豪語していたのだ。

 この分析の有効性も、喪失してしまったということなのだろうか。

 調子の良いときには、威勢良くげきを飛ばすが、悪くなると知らん顔をするのも、この党の得意技である。“第3の躍進”という言葉は党の文書から消えてしまったが、終わったとも言わないのである。さすがに次に躍進することがあっても、“第4の躍進”の時期とはいわないだろう。

 ■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ) 1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』(イースト新書)など。

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