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慰安婦、徴用工、レーダー…文政権が“反日ギア”を上げたワケ 防衛省「事実上の絶縁宣言」は当然だ

 韓国は、軍隊までもがデタラメを言い張って、平然としている国なのか。これでは、日本の防衛省が「絶縁宣言」するのも当然だ。

 韓国海軍の駆逐艦による、海上自衛隊P1哨戒機への火器管制用レーダー照射問題で、防衛省は21日、哨戒機で記録された電波信号を変換した「探知音」を公表するとともに、「これ以上、協議を続けるのは困難」として実務者協議を打ち切った。

 これに対する、韓国国防省の報道官声明が噴飯ものだ。「日本側には正確な証拠を提示し、科学的で客観的な検証に応じるように促す」「低空威嚇飛行の再発防止と謝罪を促す」とのたもうた。

 日本側がレーダーの使用記録などとの突き合わせを求めたのに、一貫して応じなかったのは韓国側である。生データが軍事機密であるのをいいことにして、シラを切り通しているのだ。

 幸い、世界の軍事関係者は「韓国の嘘とデタラメ」を最初から理解している。韓国は、また世界に恥をさらした。

 さて、そうだとすると、韓国はなぜこうもデタラメを言い張るのだろうか。日本が考えるべき問題はそこだ。

 私は「文在寅(ムン・ジェイン)政権が、いよいよ『親北容共』の立場を鮮明にして、裏返しで『反日』路線を加速化しているからだ」とみる。つまり、「親北容共」と「反日」は一体で、表裏の関係なのだ。

 文政権は発足後、しばらくの間は露骨な「親北容共」路線を世界に公言してこなかった。北朝鮮が核実験とミサイル発射を続けていたので、本音は別でも、表向きは北朝鮮を批判せざるを得なかった。

 ところが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が「非核化」を言い出し、昨年6月にはドナルド・トランプ米大統領と会談するに及んで、「これなら大丈夫」と踏んで南北協調路線に踏み切った。

 最近の文政権は、「北朝鮮の制裁解除」を世界に訴える代弁者の役割に徹している。

 こうなると、もはや「反日」路線も手加減する必要はない。昨年来、慰安婦問題で「和解・癒やし財団」の解散、いわゆる「元徴用工」の異常判決、自衛艦旗「旭日旗」掲揚拒否事件、そして今回のレーダー照射と、「反日」どころか、あからさまな「日本敵視」のギアを一段と上げてきた。

 なぜ、「親北容共」と「反日」が一体なのか。

 根本的な理由は、文政権にとって「北朝鮮は、もはや敵ではない」からだ。北朝鮮が日韓共通の敵であるなら、形だけでも日本と協力せざるを得ない。だが、いま北朝鮮は「温かく抱擁すべき同胞」に変わった。それなら、北朝鮮を敵視する日本がむしろ敵になる。そういう理屈である。

 文政権は3回の南北首脳会談を経て、国内でも「北朝鮮は同胞」という見方を浸透させてきた。政府はもちろん、マスコミも司法も完全に掌握した。前最高裁長官(大法院長)までも拘束してしまう、恐ろしい左派政権である。

 そんな文政権の韓国に、日本が付き合う必要はない。むしろ、自衛隊が下手に付き合えば、日本の軍事機密が北朝鮮に流れてしまう可能性が高い。防衛省が協議を打ち切って、「事実上の絶縁宣言」を出したのは当然である。

 日本も韓国も、まだ「防衛協力の継続」を唱えているが、それは双方とも建前だ。文政権の本質が明々白々になったことが、最大の収穫である。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

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