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文大統領“最側近”有罪で判事を圧迫 徴用工訴訟のときとはまるで違う!?「三権分立」無視する韓国与党

 【ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の最側近である慶尚南道知事の金慶洙(キム・ギョンス)被告に実刑判決が下ったことを受け、与党「共に民主党」が担当判事への攻撃を強めている。逮捕された前最高裁長官一派の「報復だ」と反発、判事の弾劾にまで言及し圧迫した。いわゆる徴用工訴訟で日本に最高裁判決を謙虚に受け入れよとした主張と矛盾するダブルスタンダード(二重基準)が浮き彫りになった。

 「警告する。不純な動機と政治的利益のために現政権を揺さぶらないでほしい。そのような試みは国民に再び弾劾されるだろう」

 共に民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表は1月31日、元党員らによる世論操作事件でソウル中央地裁が金被告に懲役2年を言い渡したことに対し、前最高裁長官の梁承泰(ヤン・スンテ)容疑者グループによる「組織的抵抗」との見方を示し、こう激しく非難した。

 梁容疑者は朴槿恵(パク・クネ)前政権の意をくんで徴用工訴訟の審理を故意に先送りするなどした司法介入疑惑で1月に逮捕された。与党は、金被告の1審の担当判事がかつて梁容疑者の部下だったことなどから「梁容疑者の側近」と決め付け、文政権に報復するために恣意(しい)的な判決を下したと主張したのだ。司法介入を糾弾するための委員会を立ち上げ、判事の弾劾を含めて検討する方針を打ち出した。

 情報機関の裏金授受事件でこの判事が昨年、前大統領の朴槿恵被告に懲役8年を言い渡した際、同党は「司法正義の実現」などと評価した。二重基準に加え、与党による露骨な政治的圧迫に、法曹界や専門家からも「司法の独立と三権分立を損ねる」「控訴審の判事への圧力だ」といった批判が上がっている。

 徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた最高裁判決をめぐって文氏は、反発する日本政府に「謙虚な立場」を持ち、「三権分立に基づいて司法判断を尊重しなければならない」と要求した。与党も最高裁判決を歓迎し、日本政府と企業に対し、公式謝罪と法的賠償に応じるよう求めてきた。

 文氏にとって自らの側近への有罪判決だ。三権分立をないがしろにする与党の主張をたしなめるべき立場ともいえる。だが、文氏や大統領府は、金被告の判決に対し、特にコメントを出さず、沈黙を続けている。(産経新聞)

【用語解説】韓国元与党党員らによる世論操作事件

 「ドゥルキング」と称する韓国与党「共に民主党」元党員の男らが2017年の大統領選などで、インターネット上の記事の評価を不正ソフトを使って操作したとされる事件。ソウル中央地裁は1月30日、大統領選で文在寅大統領の陣営幹部を務めた慶尚南道知事の金慶洙被告が「犯行全般に支配的に関与した」として、懲役2年の実刑などを言い渡した。

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