zakzak

記事詳細

「改憲」占う大阪ダブル選、維新の“断崖絶壁”状態は逆に追い風? (1/2ページ)

 大阪府の松井一郎知事(大阪維新の会代表)と、大阪市の吉村洋文市長(維新政調会長)が辞職し、知事と市長を入れ替えて出馬した「ダブル・クロス選挙」が4月7日投開票される。自民、公明府本部などは、知事選で元府副知事、小西禎一氏を、市長選で元大阪市議、柳本顕氏を推薦した。

 この選挙は重要な意味がある。維新には「党の存亡を賭けた戦い」であると同時に、安倍晋三政権にも悲願である「憲法改正の成否を占う試金石」になるからだ。

 まず、経過を振り返ろう。

 維新が目指した「大阪都構想」は、2015年の住民投票で否決された。敗北を受けて、当時の橋下徹市長が政界を引退したのはご承知の通りだ。

 だが、松井氏と新たに市長に就任した吉村氏は都構想をあきらめず、再度の住民投票実施を公明党に働きかけてきた。ところが、同党は慎重姿勢を崩さない。そこで、業を煮やした松井氏らは統一地方選(府議選、市議選)と同じ日にダブル選をぶつけてきた。知事と市長のポストを入れ替えたのは、そうしないと当選しても4年の任期が得られないからだ。

 とはいえ、都構想を実現するのに、本当に重要なのは府議選と市議選である。そこで維新が過半数を握らないと、首長選で勝っても、維新単独では肝心の住民投票にこぎつけられない。その場合、また公明党の協力が不可欠になるが、ケンカ別れした公明党が協力してくれるかどうか。

 もしも、松井、吉村両氏のどちらかが負けたら大変だ。勝者は都構想反対に決まっているから、その時点で都構想の夢はついえてしまう。維新は失速どころか、党存続さえ危うくなりかねない。まさに「背水の陣」の戦いなのだ。

 私が心配するのは、大阪ダブル・クロス選挙で「維新は失速」という流れができてしまう事態である。そうなると、7月の参院選にも響いて「憲法改正」が危うくなりかねない。どういうことか。

 憲法改正の発議には、衆参各院で総議員の3分の2の賛成が必要だ。いま、衆院では自民、公明の与党で必要数を確保しているが、参院は維新の12議席を加えて、かろうじて改憲勢力が3分の2に手が届く状態である。

 参院選で自民党は「前回が勝ちすぎ」と言われていて、今回は議席減が見込まれるのに、維新も苦戦となれば、3分の2の確保が難しくなる。

 つまり、憲法改正は国民投票どころか、その前の国会発議さえできなくなってしまうのだ。首相官邸が、大阪ダブル・クロス選について沈黙を守っている背景には、そんな事情がある。

関連ニュース

アクセスランキング