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韓国・文政権の病理… 北朝鮮にますます似てきた!?“異見”出せない恐怖の支配体制とは

 「ブレインストーミング」(=集団発想法)-。最近はめったに聞くこともなくなった言葉だが、これができる組織は少ない。トップに異論を述べても報復されない組織文化と、専門分野の実務に長じた人材が存在しなくては、ブレインストーミングは成り立たない。どちらもなければ、トップは「裸の王様」になり“幻想と対話”して決断するほかない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の病理だ。

 文氏は大統領就任直後、「私に“異見”を述べることは側近の義務だ」と語った。それから2年近くになるが、「側近から“異見”が出た」との公式アナウンスは1度もない。前副首相は「所得主導経済」「最低賃金の大幅引き上げ」に対し、小声で異見を述べて更迭された。彼は所詮、側近ではなかった。

 前副首相と対立した大統領側近は、所得主導経済政策が破綻しているにもかかわらず、次期中国大使に抜擢(ばってき)された。

 「軍内の公安情報部門」(=当然のことながら、反北派の拠点)とでもいうべき存在だった国軍機務司令部。その司令官が、いわば「積弊」として告発され、自殺する事件があった。

 告発は、機務司令部を解体するための「政権の意図」に基づくが、ここで着目すべきは彼の葬儀に、現役軍人が誰一人として参列しなかった事実だ。参列して「目をつけられれば自分自身も」と分かっているからだと朝鮮日報(2018年12月21日)は書いた。

 現役の軍人にして、同じ釜の飯を食った人間の葬儀にして、そうなのだ。もはや「恐怖の支配体制」といえる。北朝鮮とますます似てきた。

 そうした中では、官僚が、政権から目をつけられるような異見を述べるはずもない。

 そもそも、韓国の官僚機構の上層部は、政権交代とともに、ごっそりと「積弊」として追放(=退職はいい方で、刑務所送りも少なくない)されるか、韓国語で言う「去勢」(=閑職への左遷)されてしまった。

 そこを埋めたのは、大統領選挙の時に文選対本部にいた素人だったり、実務経験のない大学教授や研究者だ。

 政権交代とともに乗り込んできた「親文派の“にわか官僚”」のことを、韓国の俗語では「オゴン」と呼ぶ。そんな俗語があること自体、彼らが冷ややかな目で見られている証左だが、公務員がオゴンに異見を述べたら「目をつけられる」。

 オゴンにとっての上司は、飾り物の閣僚ではなく、大統領府にいる担当秘書官や補佐官だ。オゴンも大統領府から「目をつけられる」ことがないよう、異見は言わない。

 かくて、大統領が週1回主宰する首席秘書官・補佐官会議は、無謬(むびゅう)なる大統領が思い付きの指示を発するばかりの場になる。だが、どんな思い付きの指示も、大統領府秘書官からオゴンを通じて下達されたら絶対の命令になる。

 そんな仕組みだから、韓国の政策はチョンボが多くなる。いまのところ、笑い話になる程度の失政が多いが、「ハインリッヒの法則」(=事故の発生の経験則。1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する)を出すまでもない。大失政が出るのは時間の問題だ。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。

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