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【日本の選択】奇怪な「象徴天皇論」も… ガラパゴス左翼象徴する「令和」にイチャモンつける人々

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 「令和」の御代を迎えることを多くの国民が歓迎している。災害の多かった平成という時代、常に国民に寄り添いながら象徴としての役割を果たしてこられた今上陛下に感謝申し上げると同時に、期待に胸を膨らませながら新たな時代の到来を祝っているのだろう。

 「令和」の元号が発表された日、普段、皇室のことを尊敬しているとは思えぬような人々まで、喜びの声をあげていた光景を眺め、改めて皇室のありがたさを実感した。

 しかし、中には改元そのものを憲法違反だと主張し、国を提訴する人々まで存在しており、私自身少なからぬ衝撃を受けた。実際に改元を違憲だと訴えた長野県の弁護士、山根二郎氏らは次のように主張している。

 《元号の制定は国民が有している「連続した時間」を切断し、憲法13条が基本的人権として保障する国民一人一人の「個人の尊厳」すなわち「人格権」を侵害するものであるから同条に違反し許されない》

 日本国憲法については、論じたいことがさまざまあるというのが正直なところだ。だが、いずれにせよ日本国憲法の第1条では天皇を「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定めている。象徴が変わるとともに1つの時代が変わったと解釈するのは、別におかしなことではないだろうと思うのが一般的な感覚というものではないだろうか。

 キリスト教徒ではない私にとって、キリストの生誕を基準として定められた西暦は便利ではあるが、どこか違和感が残る。西暦と元号の両方があった方が、場合に応じた使い分けができて便利なのである。

 改元そのものを違憲だと主張するわけではないが、奇怪な象徴天皇論を持ち出して改元を祝う議論に「辟易(へきえき)」しているというのが、政治学者の山口二郎氏だ。氏はツイッターで次のようにつぶやく。

 《平成最後のとか新時代という議論に辟易。天皇の代替わりは憲法7条に規定する国事行為の主体が代わるだけ。天皇は国政に関する権能を持たないので、それで世の中が代わっては困るというのが、象徴天皇制の本質》(4月20日)

 憲法7条に規定されている国事行為の主体が今上陛下から、新天皇に代るのは事実だ。法的におかしな主張ではない。だが、後段の天皇陛下が変わることによって世の中が変わっては困るのが象徴天皇制の本質などという議論は、笑止千万というより他ない。

 昭和という時代を振り返ってみたとき、われわれは昭和天皇のご存在抜きに、この時代を議論できない。同じように、平成という時代を振り返ったとき、われわれは今上陛下のご存在を抜きに、この時代の議論ができないはずだ。

 例えば、東日本大震災を振り返ったとき、常に被災者に寄り添うように振る舞われた天皇皇后両陛下のご存在を無視することができるはずがない。

 時代は変わり続けるが、いまだに変わることのできない山口氏こそが、旧態依然としたガラパゴス左翼を象徴しているように思われてならない。

 ■岩田温(いわた・あつし) 1983年、静岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、同大学院修士課程修了。拓殖大学客員研究員などを経て、現在、大和大学政治経済学部政治行政学科専任講師。専攻は政治哲学。著書に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)、『「リベラル」という病』(彩図社)、『偽善者の見破り方-リベラル・メディアの「おかしな議論」を斬る』(イースト・プレス)など。

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