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「大麻合法化しようぜ」に感じる“胡散臭さ”の正体 医療大麻の論点とは (1/3ページ)

 5月22日、人気グループ「KAT-TUN」の元メンバー、田口淳之介容疑者と交際相手の女優、小嶺麗奈容疑者が大麻取締法違反の疑いで逮捕された。

 このニュースを受け、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔氏がTwitterで、「大麻合法化しようぜ」とつぶやいたことが話題になっている。このツイートにはコメントが殺到し、「炎上狙い」との批判も見られた。

 「炎上商法」なら真面目に応じることでもないかもしれないが、大麻で逮捕される有名人は後を絶たず、そのたびに一部で大麻を「合法化すべき」との議論が出てくる。世界的にも大麻合法化が進んでいる流れの中で、日本でも合法化すべきという意見は、看過できない非常に大事な問題だ。

 実は著者は3月、国を挙げて医療大麻ビジネスに乗り出そうとしている中東のイスラエルを視察で訪れた。日本では、大麻合法化をうたう人たちは医療大麻の話を持ち出すことが多い。「多くの国では医療的にも認められて合法化しているから日本もそうすべきだ」というのである。

 イスラエルで医療大麻の現場を見てきた経験から、日本で時折大きな議論になる大麻の合法化は、「医療」「ビジネス」というキーワードで片が付くのではないかと考えている。

■容認派に漂う「うさんくささ」の正体

 まずはっきりしておきたい。筆者は日本に嗜好用(楽しむため)の大麻は必要ないと考えている。言うまでもなく、日本をはじめ世界のほとんどの国で違法だ。ただし最近ではカナダやウルグアイ、米国の10の州とワシントンDCで合法化されている。また大麻は違法だが、少量なら非犯罪化している国も少なくない。

 そして、医療を目的とした大麻の使用に限れば、数多くの国が合法化している。米国の33州とワシントンDC、ドイツ、イタリア、フィンランド、オランダ、ノルウェー、ポルトガルやニュージーランドなど数多い。そして筆者が訪れたイスラエルもその一つ。ただ、現地で医療大麻ビジネスを始めているBOLファーマ社(BOL Pharma)のタミル・ゲドCEOに話を聞くと、こんな話をしてくれた。

 「米国の販売店で店内の様子を見ていた時のことです」。ゲドCEOは米国で医療大麻の店を視察した時のことを話し始めた。「女性が入ってきて、20歳そこそこの男性店員に『(強い痛みが全身を襲う)線維筋痛で処方箋をもらった。どれを買えばいい?』と聞いたのです。もちろんこの店員には適切な教育はなされていなくて、店員は乾燥大麻の入ったガラス容器の蓋を開け、鼻を近づけて、『ん~~匂ってみて』と言った。すると、患者も『いいわねえ』と。そんなふうに販売していた。まったくありえないことですが、それが先進国であっても『現実』なのです」

 この話を聞いた時、私が大麻容認派に対して抱いていたイメージを言い当てられた気がした。というのも、日本で大麻容認を主張する人たちは、どうしても「うさんくささ」がにじみ出ている人も少なくないからだ。

 どこか、ファッションの延長であるかのようなカジュアルさがあり、医療とその「ファッション」の境界が曖昧で、医療大麻といわれても眉をひそめたくなってしまう。その最大の理由は、医療効果のある「薬」「成分」としてしっかり扱われていないからである。そんなイメージを持っている日本人は多いのではないだろうか。

 ゲドCEOも、そんなふうに大麻を扱っている人たちと一緒にするな、ということが言いたかったのである。

■きちんと扱えば「普通の薬」になる

 この会社では、大麻から鎮痛成分などをもたらすテトラヒドロカンナビノール(THC)やカンナビジオール(CBD)といった含有成分を抽出し、オイルとして製品化している。鎮痛剤として服用する際には、オイルを一滴、舌の上に落としたり、食事に混ぜて摂取する。タブレット型の薬もあり、きれいにパッケージングされた商品となっている(現在はまだ医療目的で国内のみで販売されている)。ガンやHIV(ヒト免疫不全ウイルス)、てんかんなど対象の病気によって濃度を調整することで多様な製品が作られているのだ。

ITmedia ビジネスオンライン

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