zakzak

記事詳細

アフリカに陸自隊員派遣 中国との違い、日本の良さを知ってもらうよう

★(5)

 福岡県に所在する陸上自衛隊の第5施設団で5月22日、アフリカのケニアに派遣される隊員の壮行行事が行われた。

 「熱意と愛情をもって頑張ります!」

 派遣される隊員各人が意気込みを表明した。中には4人の女性隊員もいる。

 南スーダンから陸上自衛隊の施設(工兵)部隊が撤収したのは、ちょうど一昨年の5月末だった。あれから2年、国連南スーダン共和国・ミッション(UNMISS)には4人の司令部要員を派遣しているが、部隊としての海外派遣は行っていない。

 そうしたなか、実は陸自隊員が2015年からアフリカのケニアに派遣されていたのだが、このことはほとんど知られていないようだ。

 これは「アフリカ施設部隊早期展開プロジェクト」(ARDEC=African Rapid Deployment of Engineering  Capabilities)という。これまでに重機を操作する教育訓練に、延べ125人の陸上自衛官などを派遣、アフリカ諸国の工兵要員211人に対して訓練を実施している。期間はそれぞれ約3カ月で、今回は試行から数えれば8回目、23人の隊員がウガンダ軍兵士に対する教育を行う。

 この活動は、国連PKOに工兵部隊(日本の施設部隊)の派遣を表明した国に対し、重機などの装備購入の資金と操作法の教育をパッケージで支援するもの。アフリカやアジア諸国にはPKOに参加したい国が多いが、そもそも、宿営地を建設したり道路整備をする能力がないため、いつ派遣が決まってもいいようにブルドーザーなど重機の使い方をあらかじめ教育しておくのだ。今後はベトナムでの実施も計画されているという。

 昨今のPKOでは「文民保護」が大きな使命となってきており、自衛隊が部隊として派遣される蓋然性は低くなっている。そのため、今後は司令部要員の派遣や、こうしたPKO派遣に行くかもしれない他国軍を教育する方式が日本ができる貢献の主流となってくるだろう。上から目線ではない、自衛隊の誠実な指導はどこでも好評を得ている。

 しかし、一方で「アフリカは危険でしょ?」「行かなくてはダメなの?」といった反応も聞こえる。これは南スーダン派遣の日報問題で悪いイメージが残ってしまったことが原因にありそうだ。

 また、政府や自衛隊側もこの経験がトラウマになり、積極的にPRしていないように感じる。もちろん、活動は粛々と行われるべきであり、必要以上に存在を誇示する必要はないが、誤解をしている人がいる状況はよろしくない。意義深い取り組みであり、PKOやアフリカ進出で目立つ中国との違い、日本の良さを内外に知ってもらうよう努めるべきだ。

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 防衛問題研究家。1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストとして防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛官の心意気-そのとき、彼らは何を思い、どう動いたか』(PHP研究所)など。

関連ニュース

アクセスランキング