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G20議長国・日本に難題山積 経済と安全保障の均衡取り…当面の解決策模索できるか

 28、29日に大阪で20カ国・地域首脳会合(G20サミット)が開かれる。中心となる議題やG20に合わせて開かれる予定の米中首脳会談などの注目点、議長国である日本の役割について考えてみたい。

 G20は、米国、英国、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダおよび欧州連合(EU)の「G7メンバー」に、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンを加えたものだ。

 国際通貨基金(IMF)が4月9日に公表した世界経済見通しは、2019年の成長率予測を3・3%とし、前回1月の見通しから0・2ポイント引き下げた。米中貿易戦争や中国経済の減速、英国のEU離脱問題が引き続き懸念材料だからだ。

 世界中が注目している米中貿易戦争では、G20の場で米中首脳会談が開かれることが決まった。このニュースで米国株などが上昇する場面もあった。

 もっとも、今回の米中首脳会談で、すべてが解決するとは多くの人が思っていない。よくて部分的な解決であり、最終的な解決には時間を要するというのが一般的な見方だ。

 英国のEU離脱(ブレグジット)も大きな問題だ。メイ首相は来日するかもしれないが、すでに保守党党首は辞任しており、もはやレームダック状態だ。ブレグジットは英国の国内問題にとどまらず、欧州経済にすでに悪影響を与えている。メイ首相の政治力があれば日英間で貿易問題を話し合い、日英経済連携協定(EPA)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への英国加盟などの可能性があったが、これらの問題は次期首相の手に委ねられる。

 香港の「逃亡犯条例改正」審議が、大衆デモによりに延期となったが、これについて英国は、香港返還の経緯などを国際社会に説明する必要がある。「一国二制度」がすでに形骸化しており、今回の事件もそれが顕在化したにすぎない。G20では、香港の人権問題を扱ってもいいはずだが、はたしてどこまで議論できるのだろうか。もっとも米中首脳会談において、トランプ米大統領が中国に対して人権問題として取り上げるかもしれない。

 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は、G20に対し、世界的な経済成長へのリスクを和らげるため貿易摩擦の解決を最優先課題とするよう求めている。

 ただし、米中貿易戦争は、単に経済の問題だけではない。知的財産権の強制移転や盗用という安全保障面での問題もある。議長国の日本としては、経済問題と安全保障問題のバランスをとりながら、当面の解決策を求めていく必要がある。

 資本取引の自由という西側資本主義ロジックと、生産手段の私有を制限するために資本取引制限のある東側社会主義ロジックとの間の調和・調整が問題解決に求められている。

 また、人権や環境にも配慮し、地球規模問題の解決を図る必要もある。国際社会において名誉ある地位を占めるのは、言うは易く行うは難しだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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