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年金問題で現役世代の注意点 「ねんきん定期便」で受給額をチェック 現状の制度でも利便性ある

 年金問題をめぐっては、「老後2000万円」という数字のほか、マクロ経済スライドや5年に1度の財政検証などが話題になっているが、重要なのは、個人としてどう対応するかである。

 そのためには、自分の年金に関する情報をきちんと理解しておく必要がある。

 まずは、「ねんきん定期便」を確認しよう。これは、かつての「消えた年金」問題の再発防止のために2009年4月から本格的に始まったものだ。

 「消えた年金」について調べてみると、厚生年金の割合が多かった。なかでも、給料として天引きしたものを、会社側が旧社会保険庁に納付していなかったものが多かった。退職間近になって年金支給を受けるため旧社保庁を訪れると、年金保険料が納付されていないことに気がつくというわけだ。

 そこで、社会保険料納付のために国から「レシート」を出すということで、ねんきん定期便が作られた。筆者は第1次安倍晋三政権においてこの担当をしていたので、海外の類似制度から、ねんきん定期便の実施を進言した記憶がある。その際、一定年齢以上には将来の年金見込み額も合わせて記載することとした。

 ねんきん定期便には、年金当局が受給権者の住所をしっかり把握するという役割もある。ねんきん定期便が届かないと、住所を年金当局が把握していない可能性があるので、すぐ連絡する必要がある。

 もちろん、払った社会保険料金額に誤りがあれば、これも申し出る必要がある。ねんきん定期便は年1回、被保険者の誕生月に届くことになっているので、是非確認してほしい。

 確認状況について、ある生命保険会社の調査によれば、20~30代で4~6割、40~60代でも7~8割程度、全体で7割程度にとどまっている。

 なお、50歳未満の人は、ねんきん定期便には年金見込み額は記載されていない。

 また、配偶者の年金は、別に送付される配偶者宛てのねんきん定期便で確認できる。年に約39万円の加給年金、振替加算、厚生年金基金などの企業年金も記載されていない。実際に老後の設計をする場合には、全ての年金収入を勘案すべきである。ねんきん定期便には加入期間情報があり、概算を示すソフトもあるので、それらを活用して自分の老後設計をする必要がある。

 年金額を増やす方法はある。厚生年金であれば、60歳以降も加入して働くのがいい。そのためには、趣味で副業の可能性を現役の時から自分自身で認識しておくことだ。幸い、副業解禁時代でもある。

 国民年金では、保険料を納めていなかった期間を減らして満額に近付けるのが基本だ。さらに、付加年金という手もある。妙な金融商品に手を出すよりも、今の制度の中で対応すべきことは多くあり、その方が利便もある。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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